10月も下旬となりますが、今年は全国的にも気温の高い状態が続いています。

この高温傾向で「紅葉」など植物たちに異変が起きています。

KTN記者
「雲仙仁田峠ではこの時期、例年ですと、木々が赤や黄色に色づく様子が見られますが、今年は青々とした葉が多く、紅葉は全体でまだ1割程だということです」

2023年の同じ日に撮影した映像では、ロープウェイから妙見岳に向かう山肌は美しい紅葉が見られましたが、25日は緑のままの木々が多く、色づきが進んでいません。

訪れた人
「紅葉どうかなと思って来たけど、早い感じでしたね」「暑いからですね」

雲仙岳では10月に入ってからも平年より気温の高い状態が続いています。

紅葉は最低気温が7度以下になることなどが条件とされていますが、今月、雲仙岳ではそれを上回っています。

高温で広葉樹だけでなく、他の木にも異変が・・・

KTN記者
「これってツツジですか?」

雲仙ロープウェイ 運転技術部 入江恭右 部長
「5月中旬くらいですが、間違って咲いていますね」「これだけの量のツツジが咲くのはあまり見ない光景」

最も美しい時期は山肌が赤やオレンジに染まり、「山のサンゴ礁」と呼ばれるほどの美しさを見せる仁田峠の紅葉。

今年の見頃は・・・・

入江恭右 部長
「これから気温が下がってくるので、11月終わりまで楽しめるのでは」

一方、「異変」は秋を代表する花にも。

約3ヘクタールの干陸地が広がる諫早市高来町深海地区のフラワーゾーンではこの時期は約300万本のコスモスが一面に広がる景色が見られます。

25日にきょうその場所を訪れてみると、広い敷地にまばらに咲くコスモス。

さらに・・・・

KTN記者
「例年ですと花の高さは1メートルを超え、私の腰の高さほどあるそうですが、現在はそれよりも低く、まだ花をつけていないものも多く、こちらはまだ30センチほどと育っていません」

このため、26日開かれる予定だったコスモス祭りは中止せざるを得ない事態となっています。

NPO法人 拓生会 吉田建規 事務局長
「一回、芽が出たけどそのあと雨が降らず枯れてしまった」「本当に悲しい限りです」「夏の異常な高温、それにつきるでしょうね」

地元住民でつくる「拓生会」は何とか花を咲かせようと、9月はじめにも種を撒きましたが、雨が降らなかったことから生育が遅れているということです。

NPO法人 拓生会 吉田建規 事務局長
「2025年は、ぜひともきれいな花を咲かせたいと思います」

気象庁によりますと、11月いっぱいは平年より気温が高い状態が続く見込みで、今年は特に「秋」を感じる時間が短くなりそうです。

諫早市のコスモスは11月中旬が見頃になる予定です。

雲仙ロープウェイによりますと、仁田峠では今年、紅葉が遅れているため、冷やされた水蒸気が氷となって木々や葉につく「霧氷」が、色づいた葉につくのではということで「紅葉」と「霧氷」の共演が楽しめるかもしれないということです。

雲仙観光局では紅葉のシーズンに合わせ、周辺の渋滞緩和のため、2022年から「予約制」を導入していますが、今年は11月2日~4日はホームページでの「予約」が必要だということです。

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