視聴者から寄せられた天気にまつわる素朴な疑問や、珍しい気象現象、知りたいことなどを村田気象予報士がわかりやすく解説する「天気のギモン」のコーナー。今回のテーマは「投票率と天気の関係は?」です。
 
投票率は選挙戦の焦点のひとつであり、投票日の天気も影響すると言われています。一般的に、投票率が低くなりやすい天気は▼行楽日和となる晴天▼外出をためらう雨や雪の日です。
  
一方、くもりの日は遠出をせず在宅率が高いため投票率が高いと言われています。
 
過去のデータをもとに検証してみます。昭和50年代以降の衆院選の福井県内の投票率は80%を超える高いときもあれば、50%台と低いときもありました。
 
まず、投票率が高かったのは―
▼投票率80.9%
昭和61年7月6日、中曽根内閣「死んだふり解散」衆参同日選挙は「くもり一時雨」
 
▼投票率83.79%
平成2年2月18日、海部内閣のリクルート事件が争点となった衆院選は「晴れ」

▼投票率71.68%
平成17年9月11日、小泉内閣の郵政解散は「雨」

▼投票率74.11%
平成21年8月30日、民主党が勝利し政権交代した衆院選は「くもり時々晴れ」
 
一般的に、晴れや雨の日は、投票率が低くなると言われていますが、これだけを見ると、天気はあまり関係ないように思われます。大きな争点があり、関心度が高いと投票率が高くなるようです。

では、投票率が低かったのは―
▼投票率50%
平成26年12月14日、安倍内閣のアベノミクスが争点となった衆院選の投票率は戦後最低となりました。師走選挙となったこの日は、日本列島に強い寒気が南下した影響で冬型の気圧配置が強まり、北陸地方は「大雪」となりました。積雪は、福井市で16センチ、大野市で42センチを観測しました。
 
▼投票率55.92%
平成29年10月22日、18歳選挙権が導入されて初めての衆院選は、台風21号が静岡県に上陸。県内も「大荒れの天気」となり降り始めからの雨量が300ミリを超える所もあり、床上浸水などの家屋被害が発生しました。

この二つの選挙は、大雪や台風などが、投票行動に影響したのかもしれません。

27日(日)の天気はいまのところ「くもり」の予報で、にわか雨があるかもしれません。期日前投票もありますので投票率はかり分かりませんが、選挙は自分たちの未来に関わることです。天気に関わらず自分たちの意志や考えを示しましょう。

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