38年前、福井市で女子中学生が殺害された事件で有罪判決が確定した男性について、名古屋高裁 金沢支部は再審開始を決定しました。
再審の末、10月9日に無罪が確定した袴田巖さんの姉・ひで子さんも「励まし合ってきた。とても喜んでいる」と話しています。
この事件は1986年、福井市で中学3年生(当時)の女子生徒が包丁で刺され殺害されたものです。
事件後に逮捕された前川彰司さんは一貫して無罪を主張しましたが有罪判決が確定し、7年間服役した後、裁判のやり直しを求めてきました。
10月23日、名古屋高裁 金沢支部は弁護側の示した証拠が「無罪を言い渡すべき明らかな証拠」と判断し、裁判のやり直しを認める決定を下しました。
前川さんと交流があり、10月9日に再審で無罪判決が確定した袴田巖さんの姉・ひで子さんは…
袴田ひで子さん:
前川さんとは30年前くらいからのお付き合いで、お互いに集会などで励まし合ってきた。その前川さんが一番最初に再審開始になってとても喜んでおります。まだ再審開始を待ち望んでいる方がいくらもいるんです。その方たちのためにも頑張ってまいります
今後、検察側が異議申し立てを断念した場合、やり直しの裁判が始まります。
この事件での再審請求は2回目で、1回目の再審請求では名古屋高裁金沢支部が再審開始決定を出していましたが、その後裁判のやり直しを認めない判断が確定していました。
袴田さんの無罪判決確定で、いわゆる「再審法」について法改正への機運が高まっていますが、今回の事件も再審開始決定が二度も出されています。
菊地幸夫 弁護士:
袴田さんの再審請求でも検察側の証拠の開示がクローズアップされたが、今回も弁護側が検察側に未開示の証拠を出すよう求め、検察側がかなり出してきた。それが再審開始決定に大きな影響を与えたと聞いている。やはり再審の舞台での証拠の開示、これを一層進めなければいけないという気運は高まってきたのではないか
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