渦巻き形のロゴデザインが特徴の北欧パビリオン(提供完成イメージ)

 「サウナを持ってきたかったけど……」

 2025年大阪・関西万博開幕まで半年を切った。参加国の準備がヤマ場を迎える中、北欧パビリオンを共同出展するフィンランド担当者が来日し、メディア関係者に進捗(しんちょく)状況を報告した。

 フィンランドはノルウェー、デンマーク、スウェーデン、アイスランドと5カ国で、パビリオン「ノルディック・サークル」を出展する。政府傘下の組織「ビジネス・フィンランド」のロッタ・ハンスキさんによると、パビリオンの上棟式は10月30日となり、ほぼ当初の計画通りという。

 高さ17メートルの3階建ての木造建築(1200平方メートル)で、イタリアの著名建築家が手がけた。日本の木材を使用し、解体後は再利用することを前提にしている。1階は5カ国共通の常設展示、2階は吹き抜け、3階は会議室や展示スペース、レストランなどになる。

ビジネス・フィンランドのマーケティング責任者、ロッタ・ハンスキさん=2024年10月18日午後3時4分、太田敦子撮影

 常設展示では北欧の自然、暮らし、持続可能性といった価値観を体感できるよう、プロジェクションマッピングを駆使する。18日にあった説明会で、ハンスキさんは「他国のパビリオンに比べて派手さはないかもしれないが、私たちの生活を身近に感じられると思う」と話した。

 184日間の会期中、5カ国が期間を分けて常設以外のテーマ展示を担当する。フィンランドは計40日間を受け持つ予定で、具体的な内容はまだ明らかにしていない。

 「フィンランド人としては常設展示にサウナを設けたかったのだが……」と話したハンスキさん。厳しい寒さのフィンランドに比べ、大阪の夏は「サウナの室内に迫る暑さ」であるが故に、断念せざるを得なかったという。ただ、「フィンランドが担当する展示の日に持ってくるかも」と諦めていない様子だった。

 今後は12月4日に大阪でクリスマスイベント、翌1月中旬には東京でPRイベントを開く。「世界中でネガティブな話題が多い中で、ポジティブな万博に携われることを幸せに思う。旅行するより安く、北欧の暮らし、味、デザインを体験できるのでぜひ来てほしい」とPRした。【太田敦子】

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