女性が一時行方不明となった現場周辺を規制する警察官=千葉県市川市で2024年10月18日、藤井達也撮影

 首都圏を中心に相次ぐ強盗などのうち、千葉県市川市の住宅が複数の男性に押し入られ、住人女性(50)が連れ去られた事件で、実行役が住人の女性からキャッシュカードの暗証番号を聞き出そうとしていたことが捜査関係者への取材で判明した。

 口座からは現金が引き出された形跡があり、千葉県警は、暗証番号を確かめるため、女性を車に乗せて連れ去ったとみて調べている。

 事件は17日朝、帰宅した住人の母親(72)が室内が荒らされているのに気付いて判明した。同居の女性は連れ去られており、17日夜に埼玉県内で保護された。

 千葉県警は女性と一緒にいた職業不詳の藤井柊(しゅう)容疑者(26)を監禁容疑で逮捕。また、自称・内装工の高梨謙吾容疑者(21)を強盗致傷容疑で逮捕し、住宅に押し入った実行役とみている。

 捜査関係者によると、女性は住宅で就寝中に、3人組の男性に粘着テープで体を縛られ、殴られるなどした。実行役は女性からキャッシュカードの暗証番号を聞き出そうとしていたという。

 住宅からはクレジットカードや携帯電話、軽乗用車などが盗まれていたが、キャッシュカードも奪われていた。そのカードを使って現金が引き出されたとみられる。

 女性の家族によると、女性は実行役に暗証番号を伝えたが、その後も暴行を受けたという。

 千葉県警は、実行役らが逃走中にカードを使って現金を引き出したとみている。高梨容疑者は市川市の事件の前日16日に千葉県白井市であった強盗致傷事件への関与をほのめかす供述をしており、千葉県警は同一の指示グループがいるとみて関連を調べている。【林帆南】

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