横浜市青葉区の住宅で住人の男性が殺害された事件で、実行役の一人として強盗殺人容疑で逮捕された自称・個人事業主の宝田真月(まづき)容疑者(22)=千葉県印西市=が、「税金の滞納が数十万円あり、短期間で稼げるアルバイトをSNS(ネット交流サービス)で探した」と供述していることが捜査関係者への取材で判明した。
宝田容疑者は、指示役と秘匿性の高い通信アプリで連絡をとり、男性宅について指示役から「場所を指定された」と説明しているという。神奈川県警は、首都圏で相次ぐ闇バイトに応募した実行役による強盗などの事件との関連を調べている。
逮捕容疑は、仲間と共謀して10月15日ごろ、後藤寛治さん(75)宅に侵入。後藤さんに暴行を加えて殺害し、現金約20万円を奪ったとしている。容疑を認めているという。
県警によると、宝田容疑者は「SNSで『ホワイト案件』という投稿を見つけて指示役とつながった」と供述。指示役側に自身の身分証などを送って個人情報を把握されたため、「途中で犯罪に加担することに気づいたが、仕返しや家族に危害が加えられるのが怖くて抜け出せなかった」と話しているという。
また、実行役は自身を含めて3人で、他の2人とは「知り合いではない」とも説明。後藤さん宅については「指示役から場所を指定された」といい、自身の車で他の2人と共に後藤さん宅に向かったと供述している。宝田容疑者は、付近の防犯カメラに映った車の映像などから浮上した。
後藤さんの遺体は住宅内で16日に、粘着テープで手足を縛られるなどした状態で見つかった。
後藤さん宅からは現金約20万円が奪われていたが、さらにネックレスなど数点(時価計約30万円)もなくなっていたという。
また、千葉県市川市の住宅での強盗致傷事件に関連し、住人女性(50)に対する監禁容疑で千葉県警に逮捕された職業不詳の藤井柊(しゅう)容疑者(26)の指紋が、後藤さんをしばっていた粘着テープから検出されており、神奈川県警は関連を調べている。【宮本麻由、横見知佳】
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。