東京都千代田区の自民党本部と首相官邸が襲撃された事件で、公務執行妨害容疑で逮捕された臼田敦伸容疑者(49)が乗っていた車に、ポリタンクが約20個積まれていたことが捜査関係者への取材で判明した。中身は大半がガソリンだったという。
事件は19日朝に、自民党本部前で火炎瓶が投げられた後、首相官邸前の警備用の柵に車が突っ込み、火炎瓶などが投げられた。警視庁は首相官邸前の警備を妨害したとして、臼田容疑者を公務執行妨害容疑で現行犯逮捕していた。
捜査関係者によると、警視庁公安部が、臼田容疑者が事件当時に乗っていたワンボックスカーを調べたところ、車内からガソリンなどが入ったポリタンク約20個と高圧洗浄機のようなものなどが見つかった。
自民党本部前で警備に当たっていた機動隊員3人は喉の痛みを訴えており、臼田容疑者がスプレーのようなものをまいた可能性もあるという。警視庁は19日夜に自宅を家宅捜索し、パソコンやガラス瓶25個などを押収した。
臼田容疑者は過去に原発再稼働に反対する活動に関わっていたとの情報もあり、警視庁は押収品を分析するなどして動機や事件に至る経緯を調べている。【木下翔太郎】
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