「ルフィ」などと名乗る指示役による広域強盗事件のうち、東京都狛江市で高齢女性が死亡した事件の実行役として強盗致死罪などに問われた住所不定、無職、永田陸人被告(23)の裁判員裁判の初公判が18日、東京地裁立川支部(菅原暁裁判長)で開かれた。永田被告は「間違いありません」と起訴内容を認めた。
起訴状によると、永田被告は2023年1月19日午前11時半ごろ、他の実行役らと共謀して、宅配業者を装って狛江市の女性(当時90歳)の自宅に侵入。女性を結束バンドで拘束し、バールで複数回殴って死亡させ、腕時計を奪ったなどとされる。
検察側は冒頭陳述で、永田被告が22年11月上旬にSNS(ネット交流サービス)で「闇バイト」を探し、「キム」と名乗る指示役と知り合い、複数の強盗事件に加わるよう誘われたと明らかにした。
また検察側は、狛江の事件で、永田被告が他の実行役にバールで女性を殴るよう指示したり、自らも「家を燃やすぞ」と脅して金品の場所を聞き出そうとしたりしたと指摘。「果たした役割を重視すべきだ」と述べた。
一方で弁護側は、事件の計画立案は指示役によるもので、「実行役の中ではリーダー格だったが、あくまで指示役の駒だった」と主張した。
永田被告は狛江の事件の他に、22年11月~23年1月に広島市西区や千葉県大網白里市であった強盗事件など五つの事件に関与したとして起訴されている。
一連の広域強盗を巡っては、渡辺優樹(40)、今村磨人(40)両被告ら指示役とされる4人が起訴されている。【菅健吾】
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。