福岡と韓国・釜山を結ぶ高速船「クイーンビートル」をめぐり、JR九州の子会社「JR九州高速船」が船体への浸水を隠したまま運航を続けるなどした問題で、福岡海上保安部は17日、船舶安全法違反と海上運送法違反の疑いで福岡市にある会社などに捜索に入りました。

福岡市博多区にあるJR九州高速船には17日午前9時ごろ、海上保安部が捜索に入りました。

また停泊中のクイーンビートルにも乗り込み、捜索が行われています。

クイーンビートルをめぐっては運航会社のJR九州高速船が船体の船首部分への浸水を把握しながら3カ月以上も国に必要な報告を行わず、センサーが作動しないように位置をずらしたり、航海日誌に「問題なし」などと記載してデータを改ざんしたりして運航を続けていたことが8月に発覚しました。

また、九州運輸局は5月にJR九州高速船から報告を受けた後、臨時検査を行いましたが、その際、センサーがずらされていることに気づかなかったということです。

問題発覚後の調査で説明を求めたところ、「臨時検査の前日にセンサーの位置を元に戻した」という証言が得られたということです。

「浸水隠し」の不正は当時の社長など上層部も把握し、会社ぐるみで行われていて、当時の社長は解任されました。

一連の問題で国は9月、JR九州高速船に対して海上運送法に基づき全国で初めてとなる管理者2人の解任命令を出したほか、輸送の安全確保を命じる行政処分を出しています。

JR九州高速船は10月中に改善報告書を提出することになっています。

一方、親会社のJR九州は客観的な検証が必要だとして弁護士など3人をメンバーとする第三者委員会を設置して調査を進めています。

福岡海上保安部は捜索で得られた資料などをもとに、浸水隠ぺいに至った経緯などを詳しく調べることにしています。

JR九州高速船は「捜査に真摯に対応していく」とコメントしています。

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