長野地裁=皆川真仁撮影

 現職の長野県議が塩尻市の酒蔵兼自宅で妻を殺害したとして逮捕され、衝撃が広がった事件の裁判員裁判が16日、長野地裁(坂田正史裁判長)で始まった。元県議の丸山大輔被告(50)は黒いスーツに青いネクタイ姿で、「妻を殺害したのは私ではありません」とはっきり話し、改めて無罪を主張。公判中も時折メモを取るなど落ち着いた様子だった。【鈴木英世】

 検察側は冒頭陳述で、丸山被告は妻希美さん(当時47歳)の実家から約4000万円の借金があり、県議になる際も妻の父から支援を受けていたが、県議になってから別の女性と不倫関係になったと説明。女性と交際、結婚するために離婚する必要があったが、希美さんに離婚の意思がなかったことなどから、「一刻も早く被害者が死亡することが必要な状況だった」と述べた。

 今後の公判で、検察側は、丸山被告が犯行時間帯に議員会館と事件現場を往復した▽希美さんが死亡しなければ女性との交際が不可能な状況だった▽物取りの犯行を装った▽翌日の県議会一般質問の原稿を作成すると言って懇親会を中座するなどアリバイ工作をしていた――点などを立証する方針。

 弁護側は「丸山被告にはアリバイがあり、犯人ではない」と指摘し、希美さんは丸山被告を献身的に支えていたと訴えた。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。