戦後すぐに撮影されたとみられる今治ラヂウム温泉本館。外壁に突き出す塔屋のデザインが特徴的だ=ラヂウム温泉提供

 愛媛県今治市の国登録有形文化財「今治ラヂウム温泉本館」は、船の形状をデザインに生かした大正の洋風建築だった――。建物を所有し、保存活動に取り組む会社「ラヂウム温泉」(今治市)は、建築史家による新たな見解を紹介するオンライントークイベントを19日に同市で開催する。

 今治ラヂウム温泉本館は1919(大正8)年に開館し、45年の今治空襲を乗り越えた歴史的建造物。鉄筋コンクリートドームが特徴的な姿で残る。老朽化などにより2014年に閉館し、16年に国の有形文化財に登録されて建築の調査研究が進んでいる。同社によると、調査を行っている西沢泰彦・名古屋大教授(建築史)は外壁から張り出した塔屋と、その下の外壁に注目。「(本来の設計から)瓦屋根が続く周囲の家並みを海と見立て、海に浮かぶ船と見える」との見解をまとめ、トークイベントで発表する。

 「新発見! 船の建築デザイン・スペシャルトークイベント」と題し、テキスポート今治(今治市東門町)で開催される今治タオルフェアの会場内で19日午後2~3時。また19、20の両日、会場に展示ブースを置いて建物の歴史を紹介する。トークイベント、展示ブースに関する問い合わせはラヂウム温泉(imabari.radium@gmail.com)へ。【松倉展人】

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