福島第一原子力発電所2号機での燃料デブリの試験的取り出しの中断をめぐり、東京電力は10月16日午前から不具合を起こしたカメラの交換作業に着手した。
16日は、カメラ交換の事前準備として、ロボットが格納されている”作業部屋”の放射線量を測定する。この部屋の小窓からロボットについているカメラを交換する作業を行うため、作業員の被ばく低減のために事前に線量を把握する計画。
燃料デブリの試験的取り出しをめぐっては、ロボットが一度はデブリに触れたものの、カメラの映像が途切れ作業が中断されている。
強い放射線に晒されたことで内部に電気がたまって不具合を起こしたとみられ、再起動や強い電圧をかけることでも復旧せず、カメラの交換を行う決断に至った。
カメラは、同じ種類の別のカメラに交換される予定で、線量の測定後、数日で実際の交換が行われる計画。作業全体で2週間ほどかかる見通し。燃料デブリの取り出しは廃炉の最難関とされ、試験的取り出しも当初2021年中に実施される予定だったが、ロボットの制作遅れや変更などで延期されていた。
取り出しの準備が整い、2024年8月22日に着手されるはずだったが、作業工程のミスで再び延期。9月10日に再開されたものの、カメラの不具合で9月17日に中断し、約1か月が経過している。
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