毛槍を持って優雅に練り歩く奴さんにふんした市民=群馬県太田市で2024年10月13日午後3時52分、湯浅聖一撮影

 群馬県で江戸時代から地域に受け継がれてきた伝統行事「太田市大名行列」が13日、同市の太田地区商店街通りで10年ぶりに復活した。周辺3町との合併20周年記念事業の一環。露払いを先頭に、当時の衣装に身を包んだ市民ら約70人が、奴(やっこ)さんや家臣などにふんして練り歩き、10万石の格式高い行列を再現した。

 大名行列は江戸時代末期、宿場町として栄えた旧大島宿(現太田市西本町)の旧家で大名行列の道具が見つかり、夏祭りの余興として行われたのが始まりとされる。1906年には太田大名行列保存会が発足したが、関係者の高齢化もあって2014年を最後に開催していなかった。

 行列は西本町交差点から東本町交差点までの約800メートルを往復。途中、奴さんが長さ5メートル、重さ10キロの「毛槍(けやり)」を投げ渡す演技が披露されると、沿道から大きな拍手がわき起こった。【湯浅聖一】

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