日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)のノーベル平和賞受賞が決まったことを受け、日本被団協代表委員で広島県被団協の理事長を務める箕牧智之(みまきとしゆき)さん(82)が12日、広島市中区の平和記念公園レストハウスで報道陣の取材に応じ、「今まで被団協の活動は国外で知られていなかったが、(受賞を機に)世界に広まるだろう」と改めて期待を語った。
原爆投下当時3歳だった箕牧さんは、広島駅に勤務していた父を捜して入市被爆。2021年から県被団協理事長として、核兵器廃絶に向けた活動を引っ張ってきた。被爆者は高齢化が進んでおり、「若い世代に託さないといけない」と誓った。
受賞決定の興奮で寝付けず未明に目が覚めたという。ときおり疲れた表情も見せたが、観光客らから「おめでとうございます」と声をかけられると笑顔で応じていた。箕牧さんは「これからも核廃絶に向けて、くじけず、砕けず、あたっていきたい」と力強く語った。
もう一つの県被団協の理事長、佐久間邦彦さん(79)は12日朝、平和記念公園にある原爆慰霊碑を訪れ、亡くなった被爆者たちに受賞を報告して黙とうをささげた。報道陣の取材に対し、佐久間さんは「この受賞は亡くなった被爆者と一緒に喜びたい。次は慰霊碑に核が廃絶されたことを報告したい」と決意を語った。【安徳祐、岩本一希、山本尚美】
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