浦添市の国指定史跡浦添城跡内にある琉球王国時代の陵墓(王墓)「浦添ようどれ」の壁面などが黒いスプレーで落書きされ、さらにその箇所を削ったような跡が見つかった事件で9日、電動やすりのようなものを使った可能性があることが関係者への取材で分かった。円状に削られた跡があるという。浦添署によると犯行は6日午前1時過ぎとみられ、防犯カメラには3人組が写っていた。署は3日に発生した落書きとの関連も含め、文化財保護法違反の疑いで調べている。

 市職員が壁面の落書きを修復しようと8日午前に現場へ行くと、落書きが削られた跡を発見したという。削られた跡は浦添ようどれの西室壁面やアーチ門の内側壁面、案内板の石柱の3カ所で発見。西室壁面は全体的に白くなっているが、所々に落書きも残っている。

 いずれも4日から立ち入り禁止になっているが、市教育委員会が近くに設置している防犯カメラの映像には6日午前1時過ぎ、柵をくぐって侵入するパーカを羽織った3人組が写っていた。そのうち1人は、柵の付近で見張っているような様子だった。3人はフードを深くかぶり、顔が分からない状況だった。

 市教育委員会の銘苅健教育長は「浦添ようどれは市民の誇りであり、心のよりどころ。今回、スプレーによる落書き、さらには傷が付けられたことに関して、憤りとともに、とても残念であり、未来に向けて申し訳なく思う。今後、どのように復元していくのか、県と国の助言も受けて対応していきたい」とコメントした。

立ち入り禁止の柵をくぐって、浦添ようどれに向かうパーカ姿の人たち=6日午前1時19分、沖縄県浦添市仲間(浦添市教育委員会提供)

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