毎月赤字を垂れ流し、未払いの総額が6億円近くになるなど、ずさんな経営で給与が支払われず、職員が大量退職して入居者が取り残されている“見捨てられた老人ホーム”問題。連日フジテレビの報道番組イット!が独自取材で報じている。

東京・足立区の住宅型有料老人ホームでは、給料の未払いにより30人近いスタッフが大量退職し、90人以上の入居者が残された。元職員によると「入居者50人くらいを1人で見ている」という。入居者は入浴もままならず、ゴミの回収も滞るなど内部の状況は悪化している。この運営会社や社長が関係する老人ホームは群馬にもあり、ここでも職員の退職や施設の雨漏りなど問題が起きていた。また千葉市の老人ホームでも職員が給料未払いで大量退職し、入居者40人が移転先を探している事がわかった。

高齢化が進むなかで、ずさんな経営によって介護職員の生活が脅かされ、高齢者が深刻な状態に置かれている状況に、SNS上には、「給料未払いは末期状態ですが、その状態になる前に施設の閉鎖を進めるべきでした。まず入居者の受け入れ先を探すところから始め、次はスタッフの転職のサポートと言うように、人を一番に考えないと」「深刻な問題だと思います」「お年寄りと職員の両方を食い物にしていたのでは」など、驚きや怒りの声が寄せられた。

特に、給与未払いにより退職した職員については、「介護職員は子持ちで働いている人も多い。 安月給だが給料の未払いは死活問題です。 ボランティアで働いてる訳ではありません」「介護職はボランティアでは出来ませんよ…未払いな上でなんかあったら訴えられるリスクもあるし、無理ですよ…自身にも生活や家族もあれば尚のことです」「介護職は仕事内容と給与が見合ってない。給与が良ければ我慢もできるが薄給でこんな過酷な事はできない」「自分の生活のためだから辞めるのは当然。責めるべきは経営者だよ」「給料なけりゃ縁もゆかりもない人の面倒を誰が見るのか」など、介護職員に寄り添う意見が多数だった。

さらに、「これは国の責任。 エッセンシャルワーカーを馬鹿にしているからこうなる。介護報酬が低すぎて、現場の熱意や意欲に甘えていてもどうにもならない」「こういう介護とか保育士とかの給料が安いって絶対おかしいよなぁ」など、介護職など高齢者施設のスタッフの給与について、国の制度などを問題視する意見もあった。

高齢化が進み、自分が入居したり、家族が入居するケースも増えるであろう高齢者施設。そこで起きた深刻な問題だけに、多くの人が「我が事」としてこの問題を見ているようだ。

※FNNでは「老人ホーム一斉退職問題」を継続取材しています。情報提供してくださる方は、ぜひこちらまでご連絡ください。

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