9月の能登半島の豪雨災害では、長野県消防防災航空隊も孤立集落の住民の救助などにあたりました。隊員がNBSの取材に応じ、「早く助け出したい一心だった」と振り返りました。

■多くの方を迅速に救出したい

隊員に抱えられた男性。ヘリコプターの中に収容されました。

能登半島の豪雨災害での救助活動の映像です。

県消防防災航空隊・近藤智宏 消防航空隊長:
「より多くの方を迅速に救出したい。必ず助けなければいけないという思いを新たにしながら活動していました」

県消防防災航空隊の近藤智宏さん(46)。消防庁の要請を受け、9月23日に航空隊員3人、整備士2人、操縦士2人の計7人で、救助活動に向かいました。

■地震の爪痕と豪雨の災害

正月の地震からの復興途中に能登を襲った豪雨。近藤さんたちも厳しい現実を目の当たりにしました。

県消防防災航空隊・近藤智宏 消防航空隊長:
「屋根の上にまだブルーシートがかかっている家屋、多く目にするとともに斜面もだいぶ崩落して道路が埋まっている。地震の爪痕と豪雨の災害、両方の影響が大きいというのが印象に残っています」

県の航空隊は土砂崩れなどで孤立した集落にむかい、持病を抱える人などの救助にあたりました。

■道路が寸断…「SOS」の文字 

「SOS」の文字が書かれていたのは、輪島市宝来町の港です。道路の寸断で35人が取り残され、住民たちが助けを求めていました。ここでは、脳血管障害で歩行が困難な70代女性と、その夫を救助しました。

航空隊員:
「まだ立ってられる?大丈夫?」

女性:
「ありがとね、ありがとね」

隊員:
「大変だったね。ごはんとか食べられてた?」

女性:
「何とか乾パンもあった」

■4カ所の孤立集落から8人救出

航空隊は3日間の活動で、4カ所の孤立集落から8人を救出しました。

県消防防災航空隊・近藤智宏 消防航空隊長:
「電線や家屋の周りにある何か飛ばしてしまうものがないか、そういったことに注意を払いながらの活動、少し困難を感じた部分ではあります。被災されている方の少しでも役に立てたのではないか、そういう思いはある」

「アルプス」の新機体では初の県外での災害救助。この経験を今後の活動に生かしていきたいとしています。

県消防防災航空隊・近藤智宏 消防航空隊長:
「(要救助者は)1日でも早く助けてほしいという思いがありますので、そういった思いをしている方を早く救出しなければという気持ちにつなげていきたい」

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