世界遺産の島「屋久島」の登山道を進む「イット!」取材班。
目指すのは、推定樹齢3000年の屋久杉です。
その道のりで目にした“台風の爪痕”。
そして、目の前に現れた異様な光景。
奥に「弥生杉」と書いてある看板がありますが、弥生杉は見る影もありません。
人気の登山ルートが閉鎖されてから、1カ月余り。
今回、FNNは特別な許可を得て、閉鎖中の登山道を独自取材。
深刻な被害の実態が明らかになりました。
世界自然遺産に登録されている屋久島。
島内には、樹齢1000年を超える屋久杉が多数存在しますが、中でも多くの観光客が訪れ人気なのが、推定樹齢3000年の「弥生杉」です。
しかし2024年8月、台風10号の影響で屋久島は大きな被害に見舞われ、弥生杉は根元から折れてしまったのです。
観光名所の1つでもある白谷雲水峡。
3つある登山コースは土砂崩れなどの影響で、弥生杉を通るコースを含む2つのコースが通ることができず、現在は一番時間のかかるコースをさらに迂回して巡るルートしか歩けません。
受け付けの人:
弥生杉コースと奉行杉コースが通れない。高齢者が行けない状況。
一番手軽に屋久島を見学できる人気の「弥生杉コース」。
現在も閉鎖中ですが、特別に許可を得て撮影することができました。
傾斜のある山道を進んでいくと、その先に見えてきたのは、立ち入り禁止の規制線が何重にも張られた登山道。
看板には「弥生杉」の文字もあります。
さらに進んでいくと、遊歩道をふさぐようにいくつもの場所で倒木が見られます。
推定樹齢3000年の弥生杉。
高さは26メートル、太さは7.6メートルともなる巨木が、今は地面に太く張った根しか残されていません。
屋久島レクリエーションの森 保護管理協議会事務局・日高美智男さん:
身近に行けて、最も皆さんに親しまれた年配の方も容易に行ける屋久杉だった。それが倒れたということは非常に悲しいし、だいぶツアー客は減ると思う。
国内外から訪れた観光客からは「見られたら見たかったけど、太鼓岩はきれいだったから十分」「ちょっと残念だが、他にも見どころはたくさんあるので良い機会」などの声が聞かれました。
1日も早い復旧が望まれる中、地元は今後、林野庁の屋久島森林管理署を中心とした検討会を設置して対応を協議するということです。
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