JR九州高速船(福岡市)が福岡・博多港と韓国・釜山を結ぶ高速船「クイーンビートル」の浸水を隠して3カ月以上運航していた問題で、同社が国土交通省九州運輸局の臨時検査に合わせ、浸水を知らせる警報センサーの位置を動かしていたことが同局への取材で判明した。同社は5月末に浸水量が増えた後、警報センサーを船底から1メートルの高さまで上げていたが、検査の際は元の位置に戻していたという。不正を隠蔽(いんぺい)する意図があったとみられる。
また、5月31日~7月4日の臨時検査の際、同局の検査官は同社からの申請に基づいて浸水や亀裂の場所などをチェックしたが、センサーは検査しなかった。同局の担当者は「センサーは検査対象ではなかったが(位置などに)違和感はなかった」と説明。「1メートルも上げているような異常な状態なら、その時点で気付くし、隠蔽目的だから申請もされていない」と述べた。【下原知広】
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