那覇市にある小禄市営住宅10号棟の一室で、天井に使用されていた資材「吹付けパーライト」から基準値を超えるアスベスト(石綿)が検出されたことが3日までに分かった。市は10号棟と同時期に建てられた11号棟と共に、入居者を2025年度にも同市営住宅の別棟などに転居させ、除去作業を行う。那覇市によると、日常生活で飛散する可能性は低く、現時点で入居者から健康被害の訴えはないという。(社会部・玉城日向子)

 同市営住宅は1987年~88年に完成。アスベストが見つかった10号棟は88年に建てられた。アスベストを含有する吹きつけ材が使用された経緯について、市は不明としている。

 除去作業で転居の対象となるのは、10号棟と11号棟の計59世帯で、工事などに伴う費用は約1億2千万円を見込む。来年度に予算を計上する方針。

 10号棟の一室で今年4月、入居者の退去に伴い天井の修繕をしたところ、資材の重量に対して基準値の0・1%を超える0・8%のアスベストが検出された。室内で濃度を測定すると、通常の屋外の大気中と同程度で、健康に害を及ぼすレベルではなかった。

 那覇市によると、「吹付けパーライト」は建築基準法の規制対象外で、改修工事を行わない限り飛散する恐れはない。除去作業は、入居者を転居させた上で、労働安全衛生法などに基づいて行う。

 市は入居者から不安の声が寄せられているとして、入居者に対して文書の配布や住民説明会を開いて内容を周知する。

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