東京の多摩地区や埼玉県内の比較的近い地域で、4つの強盗事件が相次いで発生しました。

またも「闇バイト」の言葉が出てきています。

闇バイトはなぜ根絶できないのか、元埼玉県警捜査一課でサイバー犯罪などに詳しい佐々木成三氏とともに詳しくお伝えします。

──4つの強盗事件は同一犯の可能性はある?

元埼玉県警・佐々木成三氏:
犯行時間帯、犯行の手口、そして被害者の特徴がこれほど酷似している犯罪が、かなり接近した場所で短期間で起きていますので、これは警察においては、匿流(匿名・流動型犯罪グループ)型の犯罪ということで、同一犯罪グループという可能性が高いとふんでいると思いますね。

その4つの地域を見ていきます。

まず9月18日、さいたま市西区で事件が起こりました。
次に9月28日、南に17kmほど離れた東京・練馬区で事件が起きました。
9月30日に練馬区から南西部に15km離れた国分寺市、1日には所沢市で事件が起き、20km圏内に収まるほど、かなり近い範囲で事件が起こっていたということです。

また、事件はそれぞれ複数人で行われたわけですが、逮捕者は合わせて11人にのぼっています。

そして、それぞれ「闇バイトに応募した」という供述をしている容疑者がいます。
さらに警察は、こういった供述をしている他の容疑者についても、闇バイトによる犯行だとみて捜査をしているということです。

「闇バイト」についてよくお伝えしますが、真っ先に思い浮かぶのが“ルフィ”と名乗った指示役のいる広域強盗事件です。
その事件では全国で60人以上が逮捕されました。

そのあとも闇バイトは減っておらず、犯行が多発しています。

「匿名・流動型犯罪グループ」いわゆる“匿流”の検挙者は、2024年4月から6月までで全体が824人、そしてそのうち詐欺が452人で、窃盗が163人とかなり多くの数が逮捕されているということです。

――闇バイトはなくならない?

元埼玉県警・佐々木成三氏:
今のSNSの特性上、闇バイトを募集するアカウントはかなり多くあるんです。
アカウントが凍結されても、また別のアカウントで応募・募集を始めるのが闇バイトの特性なんです。
闇バイトは危険だということをメディアは強く発信している中で、闇バイトをやることに合理性がない、捕まるんだということが広く知れ渡らないと闇バイトはなくならないと感じています。

――報酬は3~5万円ということだが、それでも手を染めてしまう?

元埼玉県警・佐々木成三氏:
強盗の検挙率は90%を超えるんです。3万円で、強盗というのは有期懲役、成人であれば刑務所に行く犯罪です。
そういったものには手を出してはいけないということを粘り強く発信していかないといけないと感じます。

――応募する人がサイトを見つけることができるのであれば警察も見つけることができるはずだが、なぜ取り締まれない?

元埼玉県警・佐々木成三氏:
警察もアカウントの削除はかなり力を入れています。
Xなりインスタグラムといったもので凍結はしていきますが、凍結されるとまた別のアカウントで募集が始まるんです。
このSNSの特性上、犯罪グループはアカウントをたくさん持っています。
そこの仕組みを変えていかないと、この募集投稿はなくならないというのが現状です。

――10月に入るが時期の特性はある?

元埼玉県警・佐々木成三氏:
9月になると夜の時間が長くなるということと、年末に向けて犯罪組織も活発に動くということは警察時代から私は認識しています。
そういったうえでは、秋ごろは犯罪が増えていくことが周知の事実なわけです。

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