今年1月~4月20日、ヤンバルクイナの交通事故が10件(10羽)発生し、同時期では過去5年間で最多だったことが23日、環境省のまとめで分かった。事故は全て国頭村内で起き、10羽とも死んだ。同省やんばる自然保護官事務所の椎野風香自然保護官は、車の通行量も増えるゴールデンウイークを前に「動物は小さくて見えづらい。法定速度を守って運転してほしい」と呼びかけている。(北部報道部・比嘉海人)
ヤンバルクイナの事故は10件のうち、6件が県道70号で発生し、特に同村安田の路上に集中。県道2号で3件、国道58号で1件で、いずれも事故で死んだ「ロードキル」だった。
2023年は事故32件のうちロードキルは30件で、6割以上が県道70号で発生している。
例年、4~6月のヤンバルクイナの繁殖期の朝夕に事故が多い。自然保護官事務所によると、今年は繁殖期が早まっている可能性がある。昨年、45件で過去最悪となったケナガネズミの事故は1件だった。
23日、やんばるの希少動物の事故防止を図る約30機関による連絡会議が同村内であり、それぞれの取り組み状況を確認した。
ヤンバルクイナの事故が最悪だった12年と14年の47件から減少しつつあるが、近年は20~35件の間で推移。椎野自然保護官は「『下げ止まり』の状況を改善する策を関係機関と検討していく」と述べた。
傷ついた希少動物を見かけた場合は自然保護官事務所、電話0980(50)1025、またはNPO法人どうぶつたちの病院沖縄、電話090(6857)8917。
(写図説明)ヤンバルクイナの交通事故状況
(写図説明)道路を横断するヤンバルクイナ=2021年6月、国頭村奥
(写図説明)交通事故の治療後、森に放されたケナガネズミ=2023年11月、東村高江
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