袴田巖さんの再審で、9月26日、静岡地裁が無罪判決を出しました。判決では捜査機関による証拠のねつ造も認定されました。事件を担当した静岡県警の元捜査員は記者の問いかけに自宅のドアを閉ざし、何も語りませんでした。

元捜査員:
工場の捜索にも入って見分時にそういうものがあれば当然押収する。見落としたということはあまりないと思うけども

2023年3月、テレビ静岡の取材に応じた男性。

事件発生当時、静岡県清水警察署の署員として捜査にあたり、事件の4日後には袴田さんが勤めていた会社のみそタンクの中を捜索していました。

元捜査員:
衣類のことに関しては報道で、1年経った報道で初めて知った。あれば当然、あそこに捜索に関わった私ども当然目に触れるだろう

しかし、衣類はそのタンクの中から見つかり、死刑判決の最大の根拠とされました。

元捜査員:
誰が入れたかといえば、私は袴田本人が入れたと思っている

しかし…

斉藤力公 記者:
さきほど國井恒志 裁判長が5点の衣類は捜査機関によって血痕がつけられるなど、加工されねつ造されたものだと説明しました。

静岡地裁は5点の衣類について「捜査機関がねつ造した」と踏み込んだ判断を下しました。

27日朝、元捜査員の自宅を再び訪れると…

斉藤力公 記者:
テレビ静岡と申します。袴田事件の関係で…

元捜査員:
もう一切しゃべりません

斉藤力公 記者:
26日に判決が出たんですけど…

ドアが閉まり、元捜査員は何も語りませんでした。

そして27日の静岡県議会で答弁に立った静岡県警の津田隆好 本部長。

静岡県警・津田隆好 本部長:
26日に静岡地方裁判所において無罪判決が言い渡されたことは承知しております。これにつきましては議員のご指摘のとおり、いまだ判決は確定していないことからお答えを差し控えさせていただきます。

議員から無罪判決への受け止めについて問われましたが明言を避けました。

控訴期限は10月10日までで、それまでに検察が控訴をしなければ袴田さんの無罪が確定します。

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