長野県の上田保健所管内で有毒植物のスイセンを食べたことによる食中毒が発生しました。患者は70代の女性で畑で育てたニラと間違えて食べたということです。

4月23日午前9時40分ごろ、上田市内の医療機関から上田保健所に「ニラと間違えて採取したスイセンを食べて胃腸炎の症状を呈した患者1名を治療中である」という旨の通報がありました。

患者は市内在住の70代女性で、21日に自宅敷地内の畑に生えていたニラとスイセンを採り、翌日夜に「ニラ玉」にして食べたところ、吐き気や嘔吐、頭痛、37度超の発熱などの症状が出たということです。

保健所が女性が採った植物を確認したところ、ニラと有毒植物の「スイセン」が混在していました。

保健所は女性の症状がスイセンによるものと一致していることなどからスイセンを原因とする食中毒と断定しました。

女性は快方に向かっているということです。

保健所の聞き取りに対し「ニラの近くにスイセンが生えていて、見分けが難しかった」と話しているということです。

県内でスイセンなど有毒植物による食中毒が発生するのは今年度初めてです。

県によりますと、スイセンは観賞用のほか野生化して広く分布しており、庭先でもよく見られます。

しかし、葉がニラやノビルに似ているため、花が咲いていないと間違えるおそれがあり、有毒成分の「ヒガンバナアルカロイド」が含まれています。

食後30分以内の短い時間で嘔吐や下痢などの症状を引き起こします。

県はスイセンの葉にはにおいがないが、ニラには特有のにおいがあるため、見分けるためにはにおいを確認してほしいと呼びかけています。

また、よく分からない植物は絶対に「採らない、食べない、売らない、人にあげない」ことを徹底してほしいとしています。

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