豪雨被害に見舞われた石川・能登地方。

23日午前9時頃、輪島市上空から捉えた映像では、住宅とみられる建物の入り口まで茶色い土砂が流れ込んでいるのが分かります。

川の氾濫や土砂崩れなどによって道路が寸断され、輪島市・珠洲市・能登町の3つの市と町の56カ所で孤立状態となっています。

FNNのヘリコプターが22日に捉えた輪島市の被災現場の映像では、市の中心部につながる中屋トンネルには崩れた大量の土砂が流れ込んでいました。

トンネル付近では、能登半島地震の復旧工事にあたっていた作業員らが、一時、安否不明となりました。
土砂は作業中の重機も押し流したとみられます。

トンネル付近の重機のそばで、ヘリに向かって手を振る5人の姿をカメラが捉えました。
しかし、5人のいる場所は土砂で寸断され、孤立した状態。

その場所に向け重機で道を開き、助けに向かう救助隊らしき一団も見られました。

能登半島付近に線状降水帯が発生したのは、21日のこと。
輪島市では午前9時22分までの1時間に、観測史上最大となる121mmの猛烈な雨を観測しました。

さらに22日正午までの48時間の雨量は500mmに迫り、平年の9月1カ月間の2倍を超える記録的大雨となりました。

土砂崩れが至るところで発生し、22日、鵠巣エリアという場所は孤立状態になっていました。

被災した住民:
今開通した。今まで孤立しとったんよ。あっちも行かれんし、こっちも行かれんし。(Q.その先は?)崖崩れ。

取材班は、ようやく開通した道路を通って男性の自宅へ。
すると、電気と水道は止まったままでした。

さらに、奥の集落に向かうと、道路は陥没したりアスファルトが割れたりと車の通行はできない状態。
取材班は徒歩で奥の集落に入りました。

孤立した集落の住民:
(Q.大雨のあと人が来たのは?)初めて。(Q.自衛隊は?)自衛隊も来てない。

徒歩でしかたどり着けないこの集落には、まだどこからも支援が届いていませんでした。

食事はアルファ米などの非常食でしのぎ、水はタンクに残された分を少しずつ使っていました。

孤立した集落の住民:
(Q.これは山水?)山水、トイレ用に。だんだんと水も来なくなったので。

男性は腰が悪く、歩いて行き来することは困難。
支援の充実と一日も早い復旧が待たれます。

元日に襲った地震から復興を目指していた石川・能登地方。
観測史上最大を記録した大雨により、土砂崩れや川の氾濫などの被害が出ています。

輪島市の久手川町では、塚田川が氾濫。

大雨の影響で川が流れを変えてしまったため、道がどこにあったのか分からない状態となっていました。

9月に撮影されたばかりのグーグルマップの写真と比べてみると、道路がしっかりとあり、左右には住宅が立っています。
しかし、大雨により右側の住宅などは全て流されてしまいました。

家が流されてしまった人:
(Q.この先に家があるんですか?)そこなんですけど、(家は)流されてなくなりました。

避難先から戻ってきたという女性は自宅を探しますが…。

家が流されてしまった人:
もうちょっと、あっちかな…。こっちの方かな…違うかな…。(Q.ここが自宅かどうか分からないくらい?)分からないですね…。

30年近く住んでいたという自宅がどこにあったのかも分からないほど、風景は激変していました。

家が流されてしまった人:
(Q.この川は本来どこを流れている?)もうちょっとあっちです。(Q.二人の自宅は?)この辺、あっちが玄関やもん。

グーグルマップで見てみると、ご夫婦の自宅は木造2階建ての住宅。
隣にも別の住宅が立ち並んでいましたが、濁流に全て押し流されていました。

かろうじて、流されてきた流木の間に住宅の基礎のみを確認することができました。

家が流されてしまった人:
(Q.1月の地震の時は?)地震は全然大丈夫だった。地震より無残。跡形ないもん。地震だったらつぶれてもまた後から何か対処できるけど…。

裏山が崩れ、土砂に埋まり、完全に倒壊している家。
この家に住む羽田登喜雄さん(72)が土砂崩れに巻き込まれ亡くなりました。

遺影に向かってお線香を上げているのは、姉の田甫初美さんです。

姉・田甫初美さん:
私もいきなり聞いて、はぁって感じで、びっくりして、もう本当に涙も。

初美さんが最後に羽田さんと会ったのは5月の連休だといいます。

姉・田甫初美さん:
何かあると相談できるし、帰ってくれば必ず笑顔で迎えてくれたし、私が何か愚痴っても黙って聞いてくれる子で、本当に優しい子でした。

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