旧優生保護法のもとで不妊手術を強制されたのは憲法違反だとして、名古屋市の70代の夫婦が国を訴えていた裁判で、9月17日、夫婦が和解に向けての思いを語りました。

 名古屋市に住む尾上一孝さん(77)と妻・敬子さん(74)は、旧優生保護法のもと、聴覚障害を理由に不妊手術を強制された被害者です。

 賠償を求めた裁判では2024年3月、国に1650万円の支払いが命じられ、国側は控訴しました。しかし9月13日、国は全国の原告に対し、謝罪や慰謝料を支払うことなどを盛り込んだ和解の合意書を示し、原告らが合意しました。

 尾上さん夫婦は17日午後、名古屋市中区で手話で会見し、思いを語りました。

原告・尾上敬子さん(74):
「とても長い間、つらい思いをして、そのつらい思いをようやく最後の調印をできて良かったです。国の謝罪は本当に遅すぎました。そのあたりは本当にがっかりです」

原告・尾上一孝さん(77):
「これでようやく終わりに近づけるのではないかと思いました。国民と共に戦わなければ難しいです。私たちだけでは無理です」

 全国で続いている訴訟は、合意に基づき和解する見通しです。

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