9月に入っても記録的な猛暑が続いている。関西各地で歴史上最多の猛暑日を記録する異常事態。終わりの見えないこの暑さ各地の影響を総力取材した。

■大阪・神戸・京都で猛暑日の数が、過去最多に

この記事の画像(13枚)

9月13日の午前9時すぎの大阪市内、気温はすでに30度を超えていた。

通勤する皆さんの暑さ対策もさまざまで…

街の人:暑い…(扇風機)手放せない。

(Q.羽織っているのは涼しいベスト?)
街の人:涼しいやつです。ダメですね。何かないと。

こちらの人は、電動のファンがついて熱を逃がしてくれるベストを着ていた。

街の人:背中に保冷剤、首も扇風機、ほんで日傘。(Q.対策万全ですね?)でも暑いです。

9月に入っても続くこの暑さ、すでに記録的な状況となっている。

大阪・神戸・京都ではことしに入って記録した猛暑日の数が、過去最多に。
(きょう時点:大阪40日、神戸19日、京都48日)

記者リポート:午後1時半すぎです。手元の温度計では、38度を超えています。

この暑さに外国人観光客もタジタジだ。

イタリアからの観光客:とっても暑いね。とにかく暑いよ!

アメリカからの観光客:カリフォニアより湿気があるわね。暑さには慣れているけど、それにしても暑いわね。

13日も、14地点で35度以上の気温を記録した関西。

■食宅を直撃 スーパーでは「価格高騰札貼りっぱなし」

長引く暑さは私たちの食卓にも影響を及ぼしている。

記者リポート:暑さの影響で、レタスは300円以上になっていて、その代わりにパッケージ野菜がよく売れています。

猛暑の影響で野菜や果物の生育が悪化。多くの品目で例年より値段が高い事態となっている。

買い物客:高いやろね。お米もものすごく高くなってるし、なんとかなれへんのかな。

店側も対応に追われる。

フレッシュマーケットアオイ 内田寿仁社長:やはり葉っぱもの。青ネギも一束100円ぐらいで売れるものも、倍の値段。小松菜も比較的高温に強い野菜と言われているけど、200円ぐらいの値段をつけないといけない。(価格高騰札で)相場が上がったときにはお知らせをしてるが、ことしの夏はずっと貼りっぱなしのような状態続く。

■今が旬・ナシ農家は「生育に問題ナシ、収穫が大変」

では、今が旬のフルーツは、どうなのか。20世紀梨をつくる農家を訪ねてみると…。

香住果樹園芸組合 駒居勝組合長:心配してたけど雨も降ったので、玉太りも平年並みなので、少し小玉もあるが、大玉で毎日出荷されている。

みずみずしい梨が採れる一方で、やはり猛暑の影響も…。

香住果樹園芸組合 駒居勝組合長:生育的には心配なかったけど、作業面のところが。収穫がこの暑い中ですので、大変だ。

■「モー、無理です」ウシもシカも暑さでダウン

この暑さにまいっているのは人間だけではない。奈良では「神様の使い」とされるシカも…みんなで水場やシカ専用のミストに避難している。

こちらのシカは置かれている飲み水を、暑すぎて浴びようとしているのか…必死だ。

淡路島にあるこの店は、自社牧場で絞った新鮮な牛乳で作ったジェラートが大人気だ。

客:暑くなって食べに来ました。めっちゃおいしいです。

暑さも手伝ってか、この店は大盛況だった。

牧場の方にお邪魔すると、「モー、無理です」といった表情で、ウシが夏バテしていた。

こちらの牧場では扇風機をフル稼働しているほか、少しでもウシの体温を下げて、楽にしてやろうと毎日、夕方の時間帯に冷たい水をかけている。

水かけが始まると「われ先に」と、どんどんウシが集まってきて、まさに「ギュウギュウ(牛牛)」詰めに。

シラギク牧場 原護代表:やっぱり気持ちいいんだと思います。暑い日が続くと、エサを食べなくなるので、ウシの体力の回復が遅れて、今の乳量だけではなく、長い目で見てもウシが痛んでしまう。とにかく暑さに弱い生き物。早く安定して涼しくなってほしい。

■「地表の気温が高い」、「湿度が高い」と発生するゲリラ豪雨 9月も警戒を

さらに、暑さの影響はこんな現象も引き起こしている。局地的に激しく降る雨・ゲリラ豪雨だ。

「地表の気温が高い」、「湿度が高い」などの条件が重なると発生しやすいため、9月になっても各地で頻発。

12日は阪神甲子園球場付近で突然の激しい雨。急激なグラウンドコンディションの悪化によって、試合は中止となった。

一向に収まる気配のないこの暑さ。いったいいつまで続くのか。気象予報士の片平さんに解説してもらう。

■「暑さ寒さも彼岸まで」ことしは「猛暑も彼岸まで」と片平気象予報士

「暑さ寒さも彼岸まで」という言葉が昔からある。

秋お彼岸は9/19(木)から9/25(水)の7日間だが、来週後半のお彼岸ごろには、この暑さおさまるのだろうか?

片平敦気象予報士:ことしは『暑さ寒さも彼岸まで』ではなくて、『猛暑も彼岸まで』ということで、猛暑が落ち着くのは、お彼岸ぐらいかなってところです。やっぱり気候がちょっと変わってるということもあって、まだまだ厳しい暑さが続く見通しですが、裏を返せばお彼岸の頃からちょっとマシになるかなというところです。

片平敦気象予報士:この先、半月分ぐらいの気温の予想では、大阪は来週の半ばぐらいまでは、最高気温やっぱり35度ぐらいです。9月だというのに、めちゃめちゃ暑いという状況が続きますが、来週の3連休のタイミングで気温がスッと落ちてきます。その先月末にかけて、今のところ最高気温は30度前後になってくるので、猛暑は落ち着くかなと。朝の気温は、ずっと熱帯夜25度以上だったものが、昼間はまだ暑いですけど、朝晩に関しては、来週末ぐらいからはちょっと過ごしやすくなってくると思います

暑さも気になるが、12日のような局地的な豪雨への警戒も必要なのだろうか。

片平敦気象予報士:12日、甲子園に降ったような雨も、これから3連休にかけて、まだまだ気をつけていただきたいです。やっぱり空気の温度が高くて、湿気の量も多いとなると、入道雲ができやすいということで、キーワードとしては入道雲。もこもことした背が高い雲があらわれてきたら、注意信号です。これが遠くにあるうちは、まだ大丈夫ですけども、入道雲の真下ではどしゃぶりの雨が降っています。これが例えば頭の上まで動いてくるようになると、きのうのような雨になってしまうので、ぜひこれから先、お昼の時間帯に外を見て、『入道雲が出てないかな』とチェックしておいてほしいです。その雲が夕方ぐらいに自分の頭の上にくると、雷雨になる恐れがあると、まだまだ警戒してほしいです。

ニュース番組やインターネットなどで天気の情報を見ることに加えて、自分の周りの空模様にも注意が必要だ。

片平敦気象予報士:五感をフルに活用して、このような現象から身を守ってほしいです。だいたい入道雲1つの雨は、1時間雨宿りすれば大体やむことが多いのですが、最近は2個目、3個目と順番にきたりもしますので、ぜひスマートフォンで雨雲レーダーを見ていただいて、危ない時は屋内に入って、外にでない我慢するというのを考えてほしいです。

猛暑も豪雨もどちらも、私たちの想定を超えるケースがあるため、油断せずに警戒したいものだ。

京都大学大学院 藤井聡教授:昔ではちょっとイメージできないような、急激な集中豪雨がおこって。そうなると最近は都市化していてアスファルトに覆われている地表面が多いので、一気に川が増水して氾濫するということが、よく最近増えてますからご注意いただきたいと思います。

(関西テレビ「newsランナー」2024年9月13日放送)

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。