札幌市は9月9日、市内の有料老人ホーム2施設の入居者らの個人情報が2024年1月19日から9月5日までの約8か月間にわたって市役所のホームページに掲載されていたと発表しました。個人情報はすでに削除されています。

 札幌市によりますと、市内の有料老人ホーム1施設が9月4日午後3時30分ごろ、入居者の氏名並びに家族の住所と氏名が市役所のホームページに載っていることに気づき、市役所に連絡しました。

 載っていた文書は入居者が有料老人ホームと契約する際に必要な「重要事項説明書」です。

 「重要事項説明書」は居室の状況や施設の職員体制などが載っていて、文書の末尾に入居者らが署名し、契約時に適切に説明を受けたことを示すものです。

 有料老人ホームには重要事項証明書の見本、いわゆる「ひな形」(個人情報など記入欄は空白)の提出が老人福祉法などで義務付けられていて、札幌市では毎年1月に提出を求めています。

 普段は「ひな形」のみが札幌市に届き、ホームページに掲載していましたが、今年1月に実際の契約時に使った個人情報入り書類が誤って届き、札幌市も個人情報が載っていないかの確認を怠りました。

 札幌市によりますと、ホームページ掲載前には管理職を含む4、5人が文書をチェックする体制でしたが、文書のすべてに目を通すのは1人だけになっていました。

 1施設からの指摘を受け、札幌市が約400の有料老人ホームのデータを確認したところ、もう1施設で入居者の氏名が載っていたことが判明。9月5日午後5時までにいずれも削除しました。

 個人情報を載せた文書を送った施設は「まさか個人情報が載っているとは思わなかった。空白のもの(ひな形)を送ったと思い込んでいた」などと話しています。

 札幌市は入居者や家族に説明、謝罪したことを明らかにした上で「様式(ひな形)のみが送られて来るとの認識だったとはいえ、注意すべきでした。確認すべきことを確認せず、申し訳ありませんでした。ダブルチェック機能を高めていきたい」としています。

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