東京電力福島第1原発の溶け落ちた核燃料(燃料デブリ)の初回収に向けた2号機での作業が中断したトラブルについて、東電は9日、作業を10日に再開すると発表した。当初の予定から約3週間遅れとなる。
作業は8月22日に着手する予定だったが、取り出し装置を格納容器内部へ押し込むパイプ5本についてケーブルを通す順番に間違いがあることが直前で発覚し、作業を中断した。
東電は現場を協力企業任せにしていたことが「初歩的ミス」の原因だと分析。作業工程を見直した上で、パイプを正しい順番に並び替えた。9日には小早川智明社長が福島第1に入り、原子炉建屋内にある作業現場を遠隔操作室から最終確認した。
東電は10日午前7時ごろから作業を再開する予定。取り出し装置を押し込むパイプ5本をつなぎ、格納容器内部につながる穴へ押し込む。当初は試料を回収するまで約2週間を見込んでいたが、単純作業も含めて東電社員による確認項目を追加したため、想定より時間がかかる可能性があるという。【高橋由衣】
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