東京23区で6~9月の熱中症の疑いによる死者数が過去最多となる252人(5日現在の速報値)となったことが東京都監察医務院への取材で判明した。統計を取り始めた2006年以降で最も多かった22年の251人を上回った。
都監察医務院が6月1日~9月4日に熱中症の疑いで死亡した250人を調べたところ、96・4%にあたる241人が屋内で死亡していた。屋内での死者のうち9割近い215人が、部屋にエアコンを設置していないか、設置していても使用していなかった。
年代別では、80代が98人で最も多く、70代82人▽90歳以上32人▽60代27人▽50代9人▽40代2人――と続き、大半が高齢者だった。
熱中症に詳しい帝京大医学部付属病院高度救命救急センターの三宅康史センター長は「梅雨明けから朝晩暑い日が続いて室内に熱がこもり、熱中症を発症しても身近な人がいなくて気づかれないまま、独居の高齢者らが重症化して室内で亡くなったケースが多いのではないか」と指摘。
気象庁は、9月以降も残暑が続くとみており、三宅センター長は「高齢者は気づかないうちに脱水症状が進んでいることがあり、こまめな水分補給と適切なエアコンの使用を心がけてほしい」と話した。【朝比奈由佳】
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