再稼働に向け技術的な準備が整い、地元同意が焦点となっている東京電力・柏崎刈羽原発。「国が前面に立ってあらゆる対応を取る」としてきた岸田首相は9月6日、原子力関係閣僚会議を開き、新潟県が要望していた原発事故時に備えた避難道路の整備などを指示しました。

■岸田首相 閣僚会議で避難道路の整備を指示

【岸田首相】
「事業者に対する指導・監督、地元の地理や気候を踏まえた避難道の整備など、避難対策の実効性向上等のための対応を着実に進めてください」

6日、原子力関係閣僚会議を開き、柏崎刈羽原発の再稼働に向け議論した政府。

岸田首相は再稼働については「地元理解を得た上で進めていく」とした上で、今年1月の能登半島地震を踏まえ「安全な避難ができるかどうか地元に不安の声がある」として原発事故時に備えた避難路の整備を進めることなどを指示しました。

【岸田首相】
「陸路・空路・海路や備蓄等を含めて、緊急時対応をはじめとする原子力防災体制の充実・強化に向けて速やかに対応を進めてください」

■新潟県 県民の不安払拭へ国に対応求める

柏崎刈羽原発をめぐっては今年6月、原子炉を起動する前のすべての検査が完了し、技術的には再稼動が可能な状態となっている一方で…

【花角知事】
「国がもし稼働させたいということで進めるならば、前面に立って、県民に対し、原子力発電所の必要性や安全性についてしっかりご説明いただきたい」

花角知事は原発事故時に原発から放射状に6方向に逃げるための道路整備など、国が前面に立って県民の不安払拭に向けた対応を進めるよう求め、「政府の対応を県民がどう受け止めるのか見極めたい」としています。

■地元同意は不透明も…“安全性”確保へ対応急ぐ

さらに、最近は再稼働に向けた課題を原発の「必要性」「安全性」「東京電力への信頼性」の3つの論点として整理して説明。その解消は簡単ではなく、地元同意の行方は不透明な状況です。

こうした中、3つの論点のうち「安全性」につながる避難路の整備などが指示された形となる6日の閣僚会合。さっそく指示を受けた閣僚は対応を急ぐ考えです。

【伊藤信太郎 原子力防災担当相】
「新潟県にも入っていただきながら、協議の枠組みのもと、整備に向けた課題の整理・事業の進捗・フォローアップ等の取り組みを継続的に行って行くことを想定している」

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