パワハラ疑惑の渦中にある兵庫県の斎藤元彦知事(46)。
幹部職員に対し、業務時間外に頻繁に連絡していたことを認めました。

兵庫県・斎藤元彦知事:
幹部職員の中でも新県政推進室のメンバーに、深夜・休日に(チャットを)送っていたということは事実。不快・負担に思われた方におわびしたい。

この謝罪は、2024年3月の告発文に「チャットによる時間お構いなしの指示が矢のようにやってくる」という文章があったことを受けたものです。

そして、この疑惑について百条委員会が調査をしています。

兵庫県・斎藤元彦知事:
(即レスを期待していた?)ケースバイケースだと思う。早めにレスポンスがあればいいと思うこともあれば、とりあえず伝えておくという趣旨で送ったケースもある。「回答については明日でもいいです」とか、「実際の職員の作業とか確認は勤務時間中になってからやってください」と言うべきだった。配慮が足りなかった点は反省してます。

斎藤知事は、6日に開かれる百条委員会に出席して、2回目の証人尋問に臨む予定だということです。

最近では、「つながらない権利」という言葉も出てくるなど、社会的に意識が高まっている業務時間外の連絡。

一方で連合の調べによりますと、「業務時間外に連絡が来ることがあった」と答えた人はコロナ禍前には64%ほどでしたが、コロナ後には72%を超え、8ポイントも上昇しているといいます。

業務時間外の連絡は、実際にどのくらいの人が経験しているのでしょうか。
街の人に話を聞いてみました。

建設業界(20代):
時間外(の連絡)はあまりないです。上司もすごく気を使ってくれている。仕事は仕事、それ以外の時間はそれ以外の時間でしっかり分けたい。

税理士事務所(20代):
(連絡が)来ることはない。仕事とプライベートはやっぱり分けたい。プライベートを邪魔されるとちょっとなぁとは思います。

不動産業界(30代):
時間外に連絡が来ることはあるけど、基本的にはメールの返信ぐらいで済む。

若い世代からは、「業務時間外の連絡はほとんどなく、なるべく避けてほしい」という意見が多く聞かれました。

業務時間外に仕事の連絡をすることは違法行為に当たるのでしょうか。
労働問題に詳しい吉村雄二郎弁護士に話を聞きました。

労働問題が専門・吉村雄二郎弁護士:
業務時間外にチャットやメールを送ること自体は違法ではない。ただ、送信したチャットに返信や対応を余儀なくされる、そういう状況が続くような場合は過重労働に陥って、その結果違法となる可能性がある。

吉村弁護士によると、業務時間外の仕事の連絡が過重労働と認められた判例もあるそうです。

労働問題が専門・吉村雄二郎弁護士:
従業員が過労死をしてしまったというケース(裁判)において、その一つの要素として、業務時間外にメールへの対応を余儀なくされたというような事実が認定されている裁判例がございます。

一方で、上司世代の人たちはどうしているのでしょうか。

機械検査(60代):
(業務時間外の連絡は)月に1回もない、緊急案件だけ。「明日予定が変わるので対応お願いします」というのは送ります。

園芸店の社長(50代):
緊急のときだけです、もう週1とかのレベル。明日でいいですから対応お願いしますとか、社長なんですけど(部下に)「よろしくお願いいたします」とか書いちゃう。

不動産業界(50代):
(業務連絡を時間外に送ったことは?)ありますね。急ぎの場合はメールというか電話でやりとりをするので、急ぎじゃない場合はなるべく時間外には送らないとか。向こうが見ないようなメールだけにして、LINEとかだとつい見ちゃう。

このように、上司や経営者の人たちも、業務時間外の連絡にかなり気を使っているようでした。

20人に話を聞いたところ、「業務時間外に全く来ない」という人は9人。
それ以外でも、「週に1回から2回」という回答が多く聞かれました。

吉村弁護士によりますと、海外では「つながらない権利」を守る動きが出てきているようです。

労働問題が専門・吉村雄二郎弁護士:
(「つながらない権利」について)世界で初めてフランスで法制化されたとなっているが、ただ日本では法制化されていない。

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