燃料デブリの試験的取り出しが、設備のミスで中断している問題で、東京電力は作業の再開時期を「順調にいけば来週」と明らかにした。

福島第一原子力発電所2号機では8月22日、溶け落ちた核燃料が冷えて固まった「燃料デブリ」の試験的取り出しを開始しようとしたところ、設備にミスが見つかり中断した。
現場では、ロボットを格納容器の中に押し込むための棒の順番が間違っていて、東京電力による作業の立会いや確認がなく協力企業のみで進められたことが問題視されている。
東京電力の小早川社長は9月4日に齋藤経済産業相に対し、ミスの原因を「単純作業で高線量下でもあり、東京電力の管理が不十分だった」とし、作業における東京電力の関与のあり方を見直すとしていた。

東京電力は9月5日に会見を開き「安全を最優先にいったん立ち止まる」として「現場の準備に数日かかり作業再開ははそれ以降」としたうえで、「順調にいけば再開は来週」とした。

中断の原因は、ロボットを格納容器の中に押し込むための棒をつなぐ順番が間違っていたためで「協力企業の作業員が棒の運搬を行ったときに、予定していた被ばく量の限界に近づいたため、途中で中断したことを正確に報告しなかった」と説明。
さらに「約1か月間、東京電力も協力企業も確認をしなかった」と、ミスが放置されていたことを明らかにした。

「燃料デブリ」は、線量が非常に高く人が近付けないことから、廃炉の”最難関”とされていて、今回の中断を含めると過去に4回延期されていて、当初の計画から3年ほど遅れている。

福島第一原発には「燃料デブリ」が約880トンあると推計されていて、「試験的取り出し」では3グラム以下のデブリを取り出す計画。

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