山中で行方不明になった高齢女性を発見し、署長賞を贈られたクセノファネス号=青梅署で2024年9月4日午後2時18分、岩崎歩撮影

 東京都青梅市の山中で行方不明になった高齢女性を救助したとして、警視庁青梅署は4日、同庁警備2課所属の警備犬「クセノファネス号」(シェパード、雄5歳)に署長賞を贈った。大雨で捜索の手がかりとなる臭いが薄れていたにもかかわらず、30分あまりで女性を発見するお手柄だった。

 「1人暮らしの母が自宅からいなくなった」。8月24日午後2時10分ごろ、青梅市で暮らす女性(81)の長男(42)から110番があった。女性には認知症の症状があり、日ごろからGPS(全地球測位システム)機能を携帯していたが、この日の午前中に山中で発信が途絶えた。

 通報を受けた青梅署の山岳救助隊などが捜索したが、悪天候のため日没で中断。翌25日朝に警備犬のクセノファネス号が合流した。すると約30分後に突然鼻を上げ、沢に座り込んでいた女性の元に勢いよく走って行ったという。

 女性にけがはなかったが、薄着で靴も履いていなかった。授与式で、青梅署の福田託也署長は「クセノファネス号のおかげで早期の救助につながった」と活躍をたたえた。女性の長男は「前日が大雨で心配していたが、生きて見つかって本当によかった。山中を探し回ってくれたクセノファネス号にご褒美をあげてほしい」と話した。【岩崎歩】

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