南海トラフ巨大地震に備え、大阪府内のスマートフォンなどに緊急速報メール(エリアメール)を一斉送信する「大阪880万人訓練」が3日、府内全域であった。一環として、大阪メトロは2025年大阪・関西万博に備え、会場の夢洲(ゆめしま)(大阪市此花区)まで延伸する地下鉄中央線の森ノ宮駅(中央区)で、乗客らを避難誘導する訓練を実施した。
大阪880万人訓練は、大阪府・市などでつくる実行委員会が主催し、今年で13回目。午後3時に南海トラフ巨大地震が発生し、3分後に大津波警報が発表されたとの想定で、スマホなどに「訓練」として警報の発表を知らせるメールが配信された。
大阪メトロの訓練は、万博期間中に震度6強の地震が発生したとの想定。高齢者や視覚障害者、外国人を含む乗客役の社員らが、ホームに停車中の車両から駅員の誘導で地上に避難した。大阪府の吉村洋文知事も参加し、高齢者役の手を取って一緒に逃げた。吉村知事は浸水を防ぐ止水パネルなどの設備も視察し、担当者からメトロの防災体制について説明を受けた。
大阪メトロ中央線は夢洲への主要アクセスの一つ。万博期間中は多い時で1日12・9万人の利用が見込まれ、ピーク時の時間当たりの運行本数を現状の16本から24本に増やして対応する計画だ。森ノ宮駅は乗換駅として混雑が予想されている。
吉村知事は訓練後、報道陣に「ハード面は何重にも対策されていると感じた。万博期間中は非常に多くの方が中央線を利用するので、(緊急時は)パニックの発生もあり得る。冷静に避難誘導することが重要だ」と話した。【藤河匠】
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