秋田県発注の道路維持管理の公共事業を巡り、県職員の男と男鹿市の元社長が逮捕・起訴された贈収賄事件を受け、県は2日、県議会で陳謝した。県職員の男は、本来3人で進めるべき業務を1人で進めていたことが新たに分かった。
2日に開かれた秋田県議会建設委員会で、県建設部の川辺透部長は「このたびは大変申し訳ございませんでした」と陳謝した。
この事件は、県秋田地域振興局建設部保全・環境課に所属していた三浦学被告(49)が、2023年3月に共同企業体と契約した事業のうち道路の木の伐採作業4件を、目黒幹雄被告(46)が代表取締役を務めていた男鹿市の目黒林業に再委託されるようあっせんし、収賄の罪で起訴されたもの。目黒被告は三浦被告に2回にわたり現金150万円を渡し、贈賄の罪で起訴されている。
三浦被告は、他に4件の事業をあっせんしたことが分かっていて、報酬が支払われていたかは不透明だ。
2日の委員会で、本来3人で対応すべき共同企業体との調整業務を、三浦被告が1人で進めていたことが新たに分かり、建設部の川辺部長は「ワーキングチームを設置して原因の究明と再発防止に努めたい」と話した。
これに対し、委員は「3年前に官製談合で県幹部らが逮捕されたにもかかわらず、このような事案が想定できなかったのか」と厳しく指摘した。
委員会ではこの他、建設部の職員603人を対象にした調査で、あっせん行為を見たり聞いたりしたことがある職員は「いなかった」ことが報告された。
一方、佐竹知事も2日の定例記者会見で、「こういうことが発生したことについて、非常に県庁組織として県民に申し訳なく思っている」と改めて謝罪した。
そして「こういうことが起こらないような、けん制する仕組みづくりをやっていく必要があると思う」と話し、再発の防止を誓った。
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