昨年8月の阿波おどりで新設された「プレミアム桟敷席」(上)=徳島市

昨年8月に開催された徳島市の阿波おどりで、1人20万円の「プレミアム桟敷席」が建築基準法に違反した状態で開設された問題で、徳島県警は22日、同法違反容疑で、阿波おどり実行委員長代行を務めていた男性を書類送検した。捜査関係者らへの取材で分かった。検察に刑事処分の判断を委ねる「相当処分」の意見を付けたとみられる。

捜査関係者らによると、書類送検容疑は、建築基準の検査で不合格になったにもかかわらず、「検査済証」を得ないまま観客に桟敷席を使用させたとしている。実行委によると、階段の幅が10センチ足りない状態などだったという。

桟敷席開設を実行委に提案したレジャー予約サイト運営会社「アソビュー」(東京)も刑事告発されたが、県警は刑事責任を問うのが難しいと判断し、捜査結果を地検に書類送付した。

問題発覚後、同社は桟敷席の観客に全額返金し、観光庁からの補助金約2千万円は不交付になった。実行委は今年は設置を見送る。

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