史上最も暑い夏は残暑も厳しい見通しで、暑さ続きでバテている人も多いのではないだろうか?しかし、暑さが苦手なのは人間だけではない。日常生活やレジャーなどに欠かせないクルマも暑さによるトラブルに見舞われる。バッテリーあがりなどの車両トラブルに関する対策や注意点などを取材した。

暑さでバッテリー上がりにパンク

夏の日差しを浴びるクルマ(静岡市内)
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2024年7月7日、静岡市では観測史上初めて気温が40℃に達するなど酷暑の夏となった。これから秋の行楽シーズンを迎えるが、暑い日はまだまだ続くとみられている。

こうした中で心配されるのが暑さにともなう車両トラブルだ。

夏の車両トラブルをドライバーに聞くと「夏場の暑い日にバッテリーがあがった」「東名を走っていてパンクした」「停まっている時はエアコンの効きが悪い」「車に乗った瞬間入れないような体感温度だった」などと返ってきた。

JAF静岡支部

ロードサービスを行うJAFにはすでに7月の時点でお盆や年末年始といった繁忙期並みの依頼が殺到していたという。

JAF静岡支部・菊地一啓さんは「エアコンを使用すると電気的な負荷がかなり車にかかるので、バッテリーが上がりやすくなってしまう。特に渋滞の際はエンジンの回転数が下がることで消費電力が発電量を上回ってしまう場合もある」と注意を促す。

そこでバッテリートラブルを避けるためチェックすべきことを聞いてみた。

JAF静岡支部・菊地一啓さん
ターミナル(クルマに電気を送るための配線とバッテリーをつなぐ部品)が緩んでいないか、バッテリーを固定している金具が緩んでいないかの点検。また、バッテリー液は充電と放電を繰り返しながら少しずつ減っていくので、車体を揺らして規定量に達しているか確認することも大切

外気温30℃で車内は79℃に

車内温度上昇の実験(JAF提供)

一方、日なたに停めたクルマのダッシュボードがどれほど熱くなるのか調べた実験では、外気温は30℃だが、ダッシュボードの表面温度は79℃にまで達した。

車内が高温になるためスマートフォンなどの電子機器の故障やライターなど可燃性の高いものは破裂や引火の恐れがある。

また、シートベルトの金具などによるヤケドにも注意が必要だそうだ。

では、どうすればいいのか?車内の温度を出来るだけ早く下げる方法を教えてもらった。

エアコン操作のスイッチ類

JAF静岡支部・菊地一啓さん:
車内に乗り込んだら窓を全て全開にします。次は、エアコンの温度を一番低くして風量を最大にして外気導入する。2~3分走れば車内の空気が入れ替わるので、涼しく感じてきたら安全なところに停車し窓を閉めてエアコンを内規循環に戻す。あとはお好みの温度で

さらに、タイヤのパンクやバーストも夏場の多いトラブルの1つ。

気温の上昇に伴い路面の表面温度も高くなる中、空気圧の低いタイヤだと接地面積がより大きくなり摩擦熱がこもりやすくなるからだ。

タイヤ空気圧の違いによる温度上昇の実験(JAF提供)

JAF静岡支部・菊地一啓さんは「丸い状態が崩れた形で回転するのでゴムが熱を持ち、バーストの危険が非常に高くなるので空気圧は適正に保つ必要があります」と呼びかける。

タイヤを見るポイントを聞くと「まずはタイヤの溝の状態でしっかり溝があるかを見て、あとは側面をみてもらってひび割れ等がないかを確認してください」と教えてくれた。

車内の暑さ対策グッズも

車内の暑さを抑えるグッズ類

暑さによる車両トラブルを招かないために私たちにできる対策は他にもある。

イエローハット国吉田店で最近人気を集めているのは、手軽さが特徴のパラソル型サンシェードだ。

スタッフの太田信さんは「開くだけですぐ設置できる。簡単なところが一番のおすすめポイント。畳んだ時もコンパクトになりそのあたりも選ばれる要因」と話す。

ほかにもクルマのサンバイザーに取り付けることが可能で、冷却効率を上げることが出来るファンなども売れ行きがよいという。

炎天下に走る車両(静岡市内)

気象庁によれば2024年の9月と10月は平年よりも厳しい残暑になる見通しのようだ。

暑さによる車両トラブルが起きる可能性を少しでも減らすために自分自身で出来る備えや点検を実践しく必要があるだろう。

(テレビ静岡)

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