東京電力・柏崎刈羽原発の再稼働に向け、焦点となっている地元同意。岸田首相はその同意を得るため、原発の再稼働に関係する閣僚を全て集め、対応策の具体化に向けた指示を出す方針を示した。一方で、自民党総裁選に出馬することを表明した候補者のエネルギー政策に関する考えのスタンスには違いも見えている。
地元の要望に応え…岸田首相 退陣を前に“再稼働”の準備
8月27日に総理官邸で開かれた脱炭素社会の実現に向けた会議。
この中で、岸田首相は「柏崎刈羽原発については原発事故を起こした東京電力への不安の声があることは正面から受け止めていく」と話し、柏崎刈羽原発の再稼働に向けた準備を残りの任期で行う方針を示した。
この記事の画像(7枚)すでに柏崎刈羽原発7号機の再稼働に向けた技術的な準備は整い、刈羽村の品田宏夫村長に続いて柏崎市の桜井雅浩市長も「『再稼働したい』という要請が東京電力からあった場合には『分かりました』と言える環境が整った」と再稼働を認める考えを示し、残すは県のトップ花角知事の判断となっている。
花角知事は「国がもし稼働させたいということで進められるならば、前面に立って県民に対し、原子力発電所の必要性や安全性についてしっかりご説明いただきたい」と電力の安定供給のため再稼働を急ぐ政府に対し、花角知事は県民の理解得る努力を自ら行うよう求めていた。
こうした地元の要望に応え、再稼働への理解を得るため岸田首相は「柏崎刈羽原発の再稼働に関する全ての閣僚が出席する形で原子力関係閣僚会議を来週開催し、対応策の具体化に向けて確認と指示を行う」と述べた。
総裁選候補者 原発へのスタンスに違い
しかし、その岸田首相は退陣を表明。
エネルギー政策の行方は次の首相に委ねられることになるが、すでに出馬を表明している候補者の中でもそのスタンスには違いがある。
石破茂元幹事長は「原発ゼロにしていく努力は最大限に致します」と述べ、再生可能エネルギーなどを活用することで原発の依存度を減らしていくと話す。
これに対し、原発ゼロが持論だったはずの河野太郎デジタル相はその主張を封印。「リプレイス(原発の建て替えも)選択肢としてはあるんだと思う」と、AIなどの活用により電力需要が増加するとして、安定供給のためには将来にわたり原発を活用していく可能性に言及している。
いち早く出馬を表明した小林鷹之前経済安保担当相も電力重要は増えていくとした上で「原子力・再エネ、あるいは火力。バランスだと思っている」と他の電源とのバランスを見ながら原発を活用していく考えを示している。
果たして柏崎刈羽原発の再稼働はどうなるのか。そして、日本のエネルギー政策はどうなるのか、自民党総裁選の行方に注目だ。
(NST新潟総合テレビ)
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