テリー・アンダーソン氏=1991年12月、シリア・ダマスカス(ロイター=共同)

1985年にレバノンでイスラム教シーア派組織に誘拐され、7年近く拘束されたAP通信の元記者、テリー・アンダーソン氏が米ニューヨーク州の自宅で21日、死去した。76歳。米メディアが報じた。AP通信によると、心臓手術後に合併症を発症した。

47年生まれ。APの記者として日本や南アフリカで勤務した後、82年にレバノンに赴任。85年3月、休日に銃を持った誘拐犯に路上で拉致された。拘束中、殴られたり鎖で壁につながれたりする拷問を受けた。

91年12月の解放後は複数の大学でジャーナリズム論を教えるなどした。拘束による心的外傷後ストレス障害(PTSD)に長年苦しんだ。

米連邦裁判所が誘拐を巡るイランの関与を認定し、イランの凍結資産から数百万ドルの賠償金の支払いを受けたが、投資で失敗し、2009年に破産申請した。

同時期にシーア派組織に誘拐された人質の中で最も長く拘束され、人質問題の象徴的な存在だった。(共同)

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