“頂き女子”を名乗り、3人の男性から多額の金をだまし取った罪などに問われている渡辺真衣被告(25)に対し、名古屋地裁は「被害者の好意につけこみ誠に狡猾」などと強く批判し、懲役9年罰金800万円を言い渡した。
“頂き女子りりちゃん”こと渡辺真衣被告は、「借金を返済しなければいけない」などとウソを言って、男性3人から計1億5500万円余りをだまし取ったほか、その所得を申告せずに4000万円を脱税した罪などに問われている。
渡辺被告は黒の半そでTシャツ姿で、髪を後ろに1つでくくり、透明フレームのメガネをかけて出廷した。
裁判長が渡辺被告に対して主文である懲役9年罰金800万円を言い渡したが、量刑の理由を言い始めたところ、起立して聞いていた渡辺被告の呼吸が荒くなり、ふらふらと揺れ始めたため、裁判長が着席させる場面もあった。
きょうの判決で名古屋地裁は、「被告人はマッチングアプリなどを使い、男性に対して言葉巧みに恋愛感情を抱かせつつ、時には1人2役を演じ、金銭的貧困をほのめかして被害者の好意に付け込み、誠に狡猾」と批判。
SNSでマニュアルを販売したことについては、「実際に1000万を詐取した人物に助言するなど主体的に同種犯罪を助長していて、悪質で看過できない」とし、動機についても、「意中のホストらの資金を得るという動機は身勝手で組むべき事情はない」判断。罪を認めていることや、被害者への賠償の意志を見せるなど本人の反省がみられる点、詐欺幇助については示談が成立していることなどを考慮し、求刑懲役13年に対し、懲役9年罰金800万円を言い渡した。
判決後、渡辺被告の弁護士は控訴について、「相談して決める。この段階では何とも言えない」と話した。
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