リニア中央新幹線工事を巡る問題点を議論する岐阜県環境影響評価審査会地盤委員会のメンバーら=同県庁で2024年8月27日午前9時34分、太田圭介撮影

 JR東海は27日、岐阜県瑞浪市大湫(おおくて)町のリニア中央新幹線日吉トンネル工事現場近くで最大2・4センチの地盤沈下が確認されたと明らかにした。同トンネル工事を巡っては井戸などの水位低下が見つかっており、地下水の低下に伴い地盤に影響が生じた可能性がある。同社は付近の約60世帯の家屋を調査する方針。

 同日の岐阜県環境影響評価審査会地盤委員会の中で報告した。

 同社によると、5月末から町内17カ所で地盤状況の調査を開始。8月26日までに12カ所で地盤沈下を確認し、大湫消防センター近くの2カ所では沈下が2・4センチと2センチに達した。7月末からは調査地点を13カ所増やし、計30カ所で調査を継続している。

 家屋調査の実施時期は未定としている。トンネル内では目立った地盤沈下などはみられなかったという。地盤沈下が5月以前から始まっていなかったかどうか詳しく調べるため、衛星データを用いて確認することも検討する。

 今回確認された地盤沈下について、同社は26日以降、岐阜県や瑞浪市、地元自治会などに順次、説明している。この日の委員会で委員の一人は「2センチとは結構な沈下。驚いた」と今後の状況悪化に懸念を示した。委員会終了後、県の担当者は報道陣に「(今後の)推移を見ないと判断できない」と述べた。【太田圭介】

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