沖縄戦の継承に尽力してきた沖縄戦研究者で、元沖縄国際大教授の吉浜忍さんが23日午前、南城市の自宅で倒れているのが見つかり、亡くなっていたことが分かった。74歳。宮古島市出身。葬儀・告別式は未定。

 吉浜さんは新沖縄県史編集委員会会長で、今年6月発足した県平和祈念資料館(糸満市)の展示更新監修委員会委員長。今月、日本軍の第32軍司令部壕の保存・公開に向けた基本計画検討委員会の会長にも就いたばかりだった。

 2017年に発刊された「沖縄県史 各論編第六巻 沖縄戦編」を執筆。市町村史では南風原町史や恩納村史、沖縄市史、宜野湾市史、与那原町史、八重瀬町史、豊見城市史、久米島町史などの編集委員を務めた。

 2004年には関東学院大の林博史教授(当時)と共に「沖縄戦若手研究会」を発足。市町村史編集に関わる職員や学芸員らを迎え、次世代の沖縄戦研究者の育成に取り組んだ。

 高校教諭を27年、大学教員を15年務め、多くの生徒や学生に沖縄戦を伝えた。主な編著書に「沖縄の戦争遺跡」「沖縄戦を知る事典」「沖縄陸軍病院南風原壕」。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。