台風7号の影響で終日運転見合わせとなった東海道新幹線の改札口近くで座り込む外国人観光客ら=JR東京駅で2024年8月16日午前8時59分、猪飼健史撮影

 非常に強い台風7号は16日、伊豆諸島付近を北上し、暴風域を伴って関東に接近した。お盆休みのUターンラッシュを直撃し、東海道新幹線が東京―名古屋間で終日運休するなど大きな影響が広がった。関東と山梨県の8都県では16日夜にかけて線状降水帯が発生して大雨による災害発生の危険度が急激に高まる恐れがあり、気象庁は警戒を呼びかけている。

 気象庁によると台風7号は16日午前9時現在、八丈島の東北東約100キロを時速20キロの速さで北に進んでいる。中心の気圧は950ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は45メートルで、最大瞬間風速は60メートル。八丈島では午前5時40分ごろ、最大瞬間風速30・3メートルを観測した。

 16日は関東甲信や東北で猛烈な風が吹くところがある。予想される最大風速(最大瞬間風速)は関東、伊豆諸島で40メートル(60メートル)、東北30メートル(45メートル)、東海25メートル(35メートル)となっている。

 激しい雨も見込まれ、17日午前6時までに予想される24時間雨量は多いところで、関東甲信で300ミリ、東北200ミリ、東海120ミリと予想されている。

 お盆期間中の鉄道や空の便も大きく乱れている。東海道新幹線は東京―名古屋間で朝から運転を見合わせ、名古屋―新大阪間では本数を大幅に減らして運行している。また、東北・上越・山形の各新幹線は昼から一部列車が運休。湘南新宿ラインなど首都圏の在来線でも一部の列車が運休している。

 東京メトロは午前10時半から東西線の東陽町―西船橋間で計画運休を実施している。

 16日の羽田、成田発着の国内・国際線についても全日空は計335便、日本航空は計319便をそれぞれ欠航する。

JR東京駅は人け少なく

 台風7号の接近に伴い新幹線や在来線の一部が運休となったJR東京駅は、お盆期間中にもかかわらず人けは少なく、旅行日程の変更や特急券の払い戻しを促すアナウンスが流れていた。計画運休で東京―名古屋間の運転を終日見合わせた東海道新幹線の乗り場は改札が閉鎖され、運休を知らせる張り紙を眺める人も多かった。

 17日に福岡県で行われる長男の弓道の全国大会に向かう群馬県伊勢崎市の自営業、都丸乙和さん(52)は、台風の影響で16日の夕方に乗る予定だった新幹線を朝一番の便に早めて東京駅に着いた。明日朝、羽田空港から飛行機で福岡に向かう予定で「飛行機が遅延したら大会に間に合わない。息子の高校最後の大会なので、どうしても間に合いたい」と祈るように話した。

 旅行のため静岡県下田市まで特急「踊り子」で行く予定だった東京都中央区の無職男性(78)は、踊り子の終日運転見合わせを受け、払い戻しを受けていた。「運休は困った。車で行くしかない」と話していた。【岡田英、伊藤一博、田中綾乃】

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