台風7号は、14日夜にかけて小笠原諸島に最も接近する見込みです。その後、台風は日本の南を発達しながら北上し、16日から17日頃にかけて、暴風域を伴って強い勢力で東日本や東北地方に接近するおそれがあります。今後の進路について、岸本慎太郎予報士の解説です。
■台風情報の見方
ーー「予報円」の見方
台風の動きを見る前に、予報円の見方を確認しましょう。
予報円とは白い点線で表される円のことで、この中に台風の中心が来る確率が70%だということを示しています。
予報円は次第に大きくなっていますが、これは台風が大きくなっていくことを示しているわけではありません。
また、真ん中の線は予報円の中心を結んだ線で、ここを台風の中心が通るわけではありません。
台風は白い実線の中を通る確率が高い、ということ。
■台風7号 今後の進路は
ーー台風7号 今後の進路は
これを踏まえて、台風7号の進路予想を見てみますと、13日の段階よりも勢力が強まる予想に変わってきています。
16日の朝から17日の朝にかけて強い勢力で関東地方に接近し、上陸する恐れもあります。
関東甲信地方はこの期間に暴風域に入る可能性が高く、非常に強い風や非常に激しい雨に警戒が必要です。
お盆のUターンラッシュの時期ではありますが、16日、17日に移動を予定されている方はスケジュールの変更が必要になってくるかもしれません。
家にいる場合でも台風の接近に備える必要があります。今のうちに自転車や植木鉢など家の外に置いてあるものを中に入れて、排水溝や側溝などがつまりそうなら掃除をしておきましょう。
家の中ではこの先もこまめに気象情報を確認し、必要があれば窓が割れないように補強しておいてください。
■気象庁の発表
ここからは、気象庁の発表。(8月14日午後5時5分)
台風7号は、14日午後3時には父島の西南西にあって、1時間におよそ15キロの速さで北東へ進んでいます。中心の気圧は975ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は30メートル、最大瞬間風速は45メートルで中心から半径110キロ以内では風速25メートル以上の暴風となっています。
台風7号は、14日夜にかけて小笠原諸島に最も接近する見込みです。その後、台風は、日本の南を発達しながら北上し、16日から17日頃にかけて、暴風域を伴って強い勢力で東日本や東北地方に接近するおそれがあります。
■風の予想
小笠原諸島では15日にかけて非常に強い風が吹く見込みです。東日本では15日から17日頃にかけて、東北地方では16日から17日頃にかけて、猛烈な風や非常に強い風が吹く所があるでしょう。
・14日に予想される最大風速(最大瞬間風速)
小笠原諸島 25メートル(35メートル)
・15日に予想される最大風速(最大瞬間風速)
伊豆諸島 40メートル(60メートル)
小笠原諸島 22メートル(35メートル)
・16日に予想される最大風速(最大瞬間風速)
伊豆諸島 40メートル(60メートル)
関東地方 40メートル(60メートル)
東北地方 25メートル(35メートル)
■波の予想
小笠原諸島では15日にかけて、うねりを伴い大しけとなる見込みです。東日本では15日から17日頃にかけて、東北地方は16日から17日頃にかけて、うねりを伴い猛烈なしけや大しけとなる所があるでしょう。
・14日に予想される波の高さ
小笠原諸島 7メートル うねりを伴う
・15日に予想される波の高さ
伊豆諸島 9メートル うねりを伴う
小笠原諸島 7メートル うねりを伴う
・16日に予想される波の高さ
関東地方 10メートル うねりを伴う
伊豆諸島 10メートル うねりを伴う
東北地方 7メートル うねりを伴う
■雨の予想
小笠原諸島では15日にかけて、雷を伴った激しい雨が降る所があるでしょう。東日本や東北地方では15日から17日頃にかけて、雷を伴った非常に激しい雨や激しい雨が降り、大雨となる所がある見込みです。
・14日午後6時から予想される24時間降水量(多い所で)
小笠原諸島 100ミリ
・その後、15日午後6時から予想される24時間降水量(多い所で)
関東甲信地方 300ミリ
東北地方 120ミリ
・その後、16日午後6時から予想される24時間降水量(多い所で)
関東甲信地方 200ミリ
東北地方 120ミリ
■台風への備えを
小笠原諸島は暴風や高波に警戒してください。東日本は暴風や高波、土砂災害、低い土地の浸水、河川の増水や氾濫に厳重に警戒してください。東北地方は暴風や高波に警戒し、土砂災害や低い土地の浸水、河川の増水に注意・警戒してください。関東地方では、高潮にも注意・警戒してください。
伊豆諸島では、一部の住家が倒壊するおそれもある猛烈な風が吹く所がある見込みです。風が強まる前に頑丈な建物の中に移動するとともに、屋内では窓から離れるなど暴風に厳重に警戒してください。また、関東地方では飛来物によって負傷したり、走行中のトラックが横転するおそれもある猛烈な風が吹く見込みです。不要不急の外出を控え、屋内では窓から離れるなど暴風に厳重に警戒してください。
東日本では、落雷や竜巻などの激しい突風にも注意してください。発達した積乱雲の近づく兆しがある場合には、建物内に移動するなど安全確保に努めてください。
地元気象台の発表する防災情報に留意してください。
■交通情報は 新幹線、高速道路
JR東日本は14日、台風7号の接近に伴い週末の新幹線の運行に大幅な影響が出る可能性があると明らかにしました。
16日(金)昼頃から夜にかけて、東北・上越・北陸・山形・秋田の各新幹線は全区間または一部区間で大幅な遅れや運転取りやめの可能性があるということです。
このうち東北・山形・秋田新幹線では影響が17日(土)のお昼ごろまで続く見込みです。
利用者に対しては、この期間を避けたスケジュールに変更するほか、駅やホームページの運行情報にも注意するよう呼びかけています。
また、ネクスコ中日本によりますと、16日は管内の高速道路で通行止めの可能性があるということです。お盆で高速道路では大きな渋滞が予想されることから、最新の気象予測や道路交通情報を確認し、出発日時の変更も検討してほしいということです。
区間と通行止めの開始見込み時刻は以下の通りです。
新東名 上下 伊勢原JCT~伊勢原大山IC 16日正午~午後6時
新東名 上下 伊勢原大山IC~新秦野IC 16日午前6時~正午
中央道 上下 八王子IC~勝沼IC 16日正午~午後6時
圏央道 内外 圏央厚木IC~あきる野IC 16日正午~午後6時
西湘 下 西湘二宮IC~早川IC 16日午前0時~午前6時
小田原 上下 厚木西IC~小田原東IC 16日正午~午後6時
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