最近、幅広い年代で人気が高まっている「昭和レトロ」を体感できるイベントが8月、鹿児島・鹿屋市で開かれた。懐かしの昭和時代の電気製品やグッズが並び、昭和時代の鹿屋の風景を収めた写真も展示。昔を懐かしんだり生まれる前の光景を感じたり、訪れた人は世代に応じて楽しんでいた。

懐かしい電気製品やおもちゃたち

鹿屋市のリナシティかのやで8月10日から始まった『昭和レトロ展』。昭和40年代から50年代の電気製品やおもちゃ、レコードなどが展示されている。

ちゃぶ台、ブラウン管、黒電話…当時の生活が詰まったセット
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会場には、昭和の食卓を再現したコーナーもある。中央には丸いちゃぶ台、テレビは白黒と思われるブラウン管方式で、部屋の隅にはダイヤル式の黒電話が置かれている。

六畳間に詰め込まれた当時の生活感。
令和を生きるいまの子どもたちには見慣れないものばかりだが、親世代からは「電化製品が懐かしかった。ダブルカセットのラジカセを自分の父が持っていて、小学生の頃はよく目にしていた」「スーパーファミコン。自分たちも小学生の時にやっていたので『マリオ』が懐かしいなと思いながら」といった声が聞かれ、当時の思い出が鮮明によみがえった様子だった。

昭和好きの若者も夢中に

原田知世さんや薬師丸ひろ子さんが主演した昭和50年代の映画のポスターにくぎ付けになっていた女性がいた。

「ベテラン俳優がキャストロールの後ろの方に載っていて、若手だった頃を感じて、すごく貴重だなと思って見ていた」と目を輝かせていて、年齢を聞くと「20歳です」。言うまでもなく平成生まれだ。

彼女が特に気に入ったというのがジュークボックスだ。展示されていたジュークボックスには、キャンディーズ、アグネス・チャンなど昭和時代のアイドルの曲が並ぶが、女性は「麻丘めぐみさんの『わたしの彼は左きき』という曲がすごくかわいくて好きで、生まれていないんですけど、懐かしいなって感じがしてすごくいいなと思った」と話してくれた。

ちなみにこの曲は、麻丘めぐみさんの公式サイトによると昭和48年7月のリリースで、同年の紅白歌合戦でも披露している。

人気ブースの“ゲームセンター”

会場には、昔ながらのおもちゃで遊べるスペースや謎解き体験もでき、子どもから大人まで楽しめる仕掛けが盛りだくさんだ。

親子で一緒に楽しめるのが、ゲームセンターのブースだ。家庭用ゲーム機になつかしのテーブルゲーム。全て自由に遊ぶことができる。

平成7年(1995年)生まれの記者もテーブルゲームに挑戦し、「シンプルな操作だからすごく分かりやすくて楽しい」と話していた。“リアル世代”のカメラマン(昭和45年生まれ)も懐かしいゲームにすっかり夢中になっていた。

会場の外では、昭和の鹿屋の街並みを写した貴重な写真も展示されていた。平成初期まで商店街の中心地にあった「桜デパート鹿屋本店」の写真を見た来場者は「昔懐かしい桜デパート。ここで買い物して夏祭りの頃は橋まで(人が)満杯でした。一番にぎやかなところ。すごく懐かしい」と感慨深そうに語った。

会場となった複合施設「リナシティかのや」は、桜デパート跡地のすぐ近くにある。周辺には昭和時代、鹿屋市役所もあり(現在は移転)、街の中心としてにぎわっていた。昭和、平成、令和と時代が移り、郊外まで発展を見せている鹿屋の街で、訪れた人たちは夏休みのひととき、それぞれが過ごした時代の思い出話に花を咲かせていた。

(鹿児島テレビ)

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