国鉄湧網線を走った現役時代の外観がよみがえった「キハ27形気動車」と長南理事長=北見市で2024年8月11日午前10時42分、本多竹志撮影

 北海道北見市のオホーツク鉄道車両展示場で鉄道遺産の保存に努めるNPO法人「オホーツク鉄道歴史保存会」が車両の大規模修繕をほぼ完了させた。昨年のクラウドファンディング(CF)で資金を調達した。11月末まで月2回、一般公開する。理事長の長南進一さんは「今後は車内の修繕も進める」と話し、引き続き、募金の協力などを呼びかけている。

 オホーツク鉄道車両展示場にある旧国鉄時代の鉄道遺産は、個人が収集していた客車、除雪用のラッセル車、郵便車両など7両。保存会が無償譲渡を受け、長年にわたって放置されてさびや腐食が激しかった車両を修復した。CFで集まった約1013万円が原資で、外装の塗装などを施して復元した。

 外観の大規模修繕が完了したのは1987年に廃止となった国鉄湧網線で「さよなら湧網号」の2号車として使われた「キハ27型気動車」と北見保線区に配置されていたラッセル車。塗装をはがして、さび落としを会員らの手で行い、業者に塗装や板金を依頼した。

 外観の文字入れや破損などが目立つ車内の修繕は残る。そのため、募金への協力を呼びかけて修繕をしたいという。

 今年の一般公開は、降雪期前の11月末までで第2、第4土曜日の午後1~3時。長南理事長は「旧国鉄時代の鉄道遺産のよみがえった姿を見てほしい」と話している。【本多竹志】

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。