カレーライスの調理費用が過去10年で最高値に――。
帝国データバンクは13日、材料費や水道光熱費を加味して独自に算出した6月の「カレーライス物価」が1食あたり329円(前年同月比30円増)に上り、2015年以降で最も高くなったと発表した。
最近の物価高を、手ごろでおいしい食卓の味方に凝縮させて示したユニークな指標で、同社は7月に高値のピークを迎えると予測している。
総務省の「小売物価統計調査」を基に算出した。
具体的には、市販のカレールー半分▽ニンジン▽ジャガイモ▽タマネギ▽輸入牛肉▽ご飯(銘柄はコシヒカリ)▽食用油――を使って6食分を調理したとの想定。炊飯器でご飯を炊くための水道光熱費も計算に入れた。
その結果、6月の1食分の内訳は、肉や野菜といった具材が203円(前年同月比20円増)▽ご飯が97円(同8円増)▽カレールーが25円(同1円増)▽水道光熱費が4円(同増減なし)――となり、計329円となった。
同社によると、円安の影響で輸入牛肉の価格が上がったことに加え、野菜類も前年同月から1キロあたり各100円超の値上がりとなった。前年の猛暑などの影響で品薄となっている米の価格も急上昇した。
同社が東京都区部の物価動向を基に予想した7月のカレーライス物価は1食あたり340円前後と、さらに上昇する可能性がある。
同社は「農林水産省のデータでは、8月はジャガイモ、ニンジン、タマネギの価格が『平年並みで推移』とされており、値下がりの期待感も出てきた。ただ、米や輸入牛肉の価格は当面、『上昇局面』が予想され、今夏のカレーライス物価は7月をピークとしながら高値圏での推移が見込まれる」としている。【中嶋真希】
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。