7月の記録的な大雨で大きな被害が出ている地域では災害ボランティアセンターが立ち上がり、多くの人が活動している。秋田県にかほ市は、市と社会福祉協議会が連携しセンターを運営している。

7月30日に開設されたにかほ市の災害ボランティアセンター。平日は1日に15人、休日は30人ほどがボランティアとして活動している。これまでに秋田市や横手市などの延べ300人以上が参加した。

日本赤十字秋田短期大学の及川真一さんは、東日本大震災を経験したあと全国各地で災害支援にあたっている。今回の大雨では被害が出ている地域に度々足を運び、経験が少ないボランティアに声をかけるとともに自ら住宅の片付け作業を進めている。

床上浸水の被害に遭った住宅の床下には、積み重なった大量の泥。及川さんは潜り込み、懸命に泥をかき出していた。

見た目には分からないことも含め、大雨による生活への影響はさまざまだ。ボランティアに求められることは日々変化している。

にかほ市社会福祉協議会・佐々木三成事務局長:
「少しずつ土なども乾いてきていまして、これまでは泥のかき出しなどが多かったのですが、乾いた土の対応というのがこれから出てくるだろうと思います。サーキュレーターなどを使って乾かすなどをボランティアに活動していただいているのが現状」

ところで、今回のにかほ市の災害ボランティアセンターは社会福祉協議会と市が連携しているのが特徴だ。センターには常に市の職員がいて運営に協力しているほか、市が備蓄している土のうやブルーシートなどを提供したり貸し出したりしている。

にかほ市社会福祉協議会・佐々木三成事務局長:
「にかほ市でほぼ初めての大規模な災害なので、市としても普段からかかわりのある福祉関係の職員に来ていただいて、もしその場で資材が足りないとなった場合などに職員を通じて調達していただいている形になります。すごく早く調達していただけるので、ボランティアの方も大変助かっているようなところです」

市はボランティアに参加した人に市内の温泉施設で使える無料の入浴券を渡している。このほか「高速道路料金の無料措置」が適用されるため、市外から高速道路を利用して参加する人は往復の料金が無料になるという。

また災害ボランティアに対し、自治会がさまざまな形で感謝の気持ちを伝えている。

にかほ市社会福祉協議会・佐々木三成事務局長:
「琴浦自治会館をボランティアの休憩場所として開放していただいています。飲み物なども自治会のほうから提供していただいているので大変助かっていますし、暑い中ボランティアが外でも飲み物を飲めるので、大変ありがたいという声も聞いています」

災害ボランティアは水や食料・装備品など必要ものを自分で用意して活動する必要がある。一方で、支援を受けた側の「感謝の気持ち」は参加者の「何かをしたい」という思いを強くするようだ。

にかほ市社会福祉協議会・佐々木三成事務局長:
「これからは暑い期間が長くなりますので、熱中症対策として20分作業したら10分休んでいただくという形で作業をしていただきたい。まだまだ期間は長くなると思いますが、ボランティアは来ていただきたいと考えていますので、よろしくお願いいたします」

にかほ市では県内の個人・団体を対象に災害ボランティアを募集している。現地で活動したい人は事前の登録と装備品の準備をして参加してほしい。

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