2024年8月8日に南海トラフ巨大地震の想定震源域にあたる日向灘を震源とする地震が発生し、宮崎県で震度6弱を観測しました。

気象庁は南海トラフ地震 臨時情報(調査中)を発表し、その後 専門家による評価検討会で発生した現象について分析が進められ、午後7時15分に南海トラフ地震 臨時情報(巨大地震注意)が発表されました。

激動の1日を振り返ります。

8月8日午後4時43分頃。宮崎県日南市で最大震度6弱の地震が発生しました。

宮崎県日南市の酒店:
もう見ての通りです

宮崎県内の酒店では陳列してあった商品が落ち、粉々になっていました。

鹿児島県志布志市では土砂崩れが発生。

九州や四国地方では一時、津波注意報が発表され、宮崎港や志布志港などで津波を観測しました。

今回、震源となったのは宮崎県の日向灘。

この一帯で起きる地震について懸念されているのが、約32万人の死者が想定されている南海トラフ巨大地震です。

2019年から運用が始まった南海トラフ地震 臨時情報は、想定震源域周辺でマグニチュード6.8以上の地震などが起きた場合に発表されます。

今回の地震のマグニチュードは推定7.1。

8日午後5時、気象庁は南海トラフ地震臨時情報(調査中)を初めて発表しました。

評価検討会:
本日16時42分に発生した日向灘の地震、マグニチュードは今のところ7.1。その地震で南海トラフ地震の発生が高まったか評価を行うために臨時の評価検討会、判定会を開催いたします

そして午後5時半。気象庁は専門家による評価検討会を開き、南海トラフ地震と関連するか調査を始めました。

この発表を受け静岡県も情報収集体制に。

各市町と連絡を取る体制を整えたり、県民に向けた情報発信の準備をしたりして備えを進めます。

JRは列車を通常より速度を落として運行。安全確認などで新幹線や在来線で遅れが発生しました。

そして午後7時15分、南海トラフ地震 臨時情報(巨大地震注意)が発表されました。

気象庁 地震火山部 地震火山技術調査課
束田進也 課長:
南海トラフ地震の想定震源域では、新たな大規模地震の発生可能性が平常時に比べて相対的に高まっていると考えられます。今後、もし大規模地震が発生すると強い揺れや高い津波が生じると考えられます

評価検討会は、想定震源域で大規模地震が発生する可能性が平常時に比べて相対的に高まっていると判断。「巨大地震注意」を発表しました。

光田有志アナウンサー:
午後7時半のJR静岡駅です。先ほど気象庁より南海トラフ臨時情報 巨大地震注意が発表されました。ただ、駅構内では特に大きな混乱がある様子は見られません

それでも初めてとなる巨大地震注意の発表に、不安が広がっていました。

男性:
相当な地震が起きた時に、家具が倒れる心配をしたり、自分が寝ているときに被災した時に心配になってしまう。家族の安全を守るために何をしたらいいか考えたい

女性:
何もいま心構えがないので、いま実家に帰ったらすぐに話し合いをしてどうするか決めたいです

午後8時、鈴木知事は緊急の会見を開き、地震への備えを再確認するよう県民に呼びかけました。

静岡県・鈴木康友 知事:
県民には日頃からの地震への備えの再確認および地震が発生したらすぐに避難するための準備をお願いいたします

県は120人態勢で警戒にあたり1週間程度継続する方針です。

光田有志アナウンサー:
午後9時過ぎの静岡市駿河区の薬局です。ご覧のようにこの時間たくさんの買い物客が詰めかけています

巨大地震注意の発表を受け、静岡市内のドラッグストアには水や食料を買い、災害に備えようとする人の姿が見られました。

女性:
水を買いに来たんですけどやっぱり売ってなかった

男性:
トイレットペーパーとかティッシュとかおむつ、水分とか必要になりそうなやつを買いました

一夜明けた9日、東海道新幹線は始発から通常よりも速度を落として運行。駅構内には新幹線に遅れが出ることを知らせる掲示板が出され、時折不安そうに掲示板を見る人や遅れを気にする人の姿が見られました。

また、それぞれの市町でも災害対策会議を開くなど巨大地震への備えが進められています。

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